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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

柴犬を彫る 銅メダル彫金1枚目

2023
13
こんにちは。

彫金教室も一息ついて新しく何かを始めようとしたその時、
何年か前に適当に買ってしまった銅メダルが目につきました。
直径約1.5㎝、厚約1㎜ 100枚弱くらいあります。
銅メダル残り1
目についてしまったなら仕方ない。
以前から彫金に合う絵の練習もしなければとも思っていたので、
それも兼ねて銅メダルに自分で下絵を描いて彫ることに決定。
かくして彫金教室に続く新シリーズ銅メダル彫金が始まったのでした。

絵が下手くそぉ


とはいえ、絵の練習をしなくても多少何とかなるかも、
と思いダメ元で彫ってみました。
クリーチャーができました。
柴犬銅メダル練習と失敗 (2)

輪郭彫った時点でわかりますよね。
もうどうしようもねぇやって。

まぁ案の定ダメだと分かったので、
何枚かの写真を参考に絵を書きます。
柴犬銅メダル練習と失敗 (1)

木目なんかのランダムな模様が絵に見えることってあるじゃないですか。
あれって妙に目に残るし、きっと描きやすいだろうなと。
なら犬の絵を模様に見立てて目に残ったのなら、
絵にできるはず。
という独学謎理論で練習しました。

練習中に頭を使った感覚が非常に強かったので、
多少は効率よく上達したはずです。多分。

銅メダル彫金


本当はもう少し練習した方が確実だったのですが、
きっといけるだろうという楽観で書き始めます。
失敗したらやり直すだけですし。
柴犬銅メダル (1)

↑ぱっと見イマイチですが、
まぁやってみましょう。

輪郭を彫って
柴犬銅メダル (2)

目、鼻、口なんかの線も彫っていきます。
深く彫っていくときに形や大きさを多少変更できるので、
完成を思い浮かべながらアレヤコレヤ検討を重ねましたね。
柴犬銅メダル (3)

耳はあまり深く考えず、深く彫りました。
顔もそこそこ彫るので段差をつける必要があり、あまり選択肢無いんですよね。
柴犬銅メダル (4)

顔の中は目、鼻、口の周りから彫っていきます。
鼻のあたりは高めにするため、彫り残し多し。
柴犬銅メダル (5)

大方荒く彫り終えました。
こっからどこをどれだけ彫るか、彫らないかはかなり考えどころです。
肉付きと目の形と鼻の大きさ、
広い顔の外側部分をどれくらい彫り下げるべきか、などなど。
無数の選択肢の中でより良いものを検討・選択していくことも大事な練習です。
例え間違えたとしても、考えた分だけ得るものも大きいですね。
柴犬銅メダル (7)

鼻と上唇あたりを彫りすぎないよう気を付けました。
そして、目の形のおかしさがはっきりしましたね。
しっかり整えていきます。
柴犬銅メダル (8)

目の形を整え、さらに目の周りも彫り下げました。
あとは角を取りながら鼻のラインを大まかにつけました。
けども、ちょっと不気味です。
立体感が薄いからちょっと人間っぽいというか、嫌な感じだなぁ。
柴犬銅メダル (9)

目と目の間を彫り下げたりして不気味さを減らすなどしてから、
毛並みを彫りました。
柴犬の毛並み色分けとして毛の長さや向きなどで
上手くテクスチャに差が出せればと思っていました。当初は。
しかし、どうやっても違和感が大きすぎるので、
毛並み深め彫りと浅め彫りで区別することに。
↓は違和感ある状態です。写真だとちょっとわかりにくいですね。
柴犬銅メダル (10)

短めの毛並みになるように色々な角度からタガネを入れていたのですが、
その際に右目に深めの傷がついてしまいいました。
目の形を直しながら目立たなくしましたが、傷は最終的に残しました。
戒めというやつですね。
これから柴犬銅メダルを見るたびに失敗を思いだすことにします。
柴犬銅メダル (11)

裏面に記録として適当に文字彫ってっと。
柴犬のしっぽをイメージして犬の払いをクルっとさせました。
KAWAII可能性があります。
柴犬銅メダル (12)

松やにをとって酸洗いしてブラシで磨き、錆止めして完成。
暗い所で撮ったのと明るい所の2種載せておきます。
毛並みみたいな細かな彫りがあると、かなり印象変わりますよね。
そして明るい方は右目の傷がよくわかります。独眼犬。
柴犬銅メダル (17)
柴犬銅メダル (20)

一応裏面も。
柴犬銅メダル (22)

実際に見るときはもうちょっと離れて見るので、
引きバージョンも。
こっちの方が実物を見た感じに近いです。
近くだと不気味感が残っておりますが、
離すとマシかもしれません。
柴犬銅メダル (16)


改善点・反省点


いくつもありますが、明確なのは
1毛並みでの色分けが失敗気味で柴犬に見えない。
2下絵が微妙だったための不気味感がある。
3右目の傷
4目の工夫
他にも左ほおのエクボっぽいのはいらなかったなど
見れば見るほどたくさんありますが、
大きなのは上の4点ですね。

目の工夫についてはあまり触れていませんでした。
他の動物もそうなのでしょうが、
芝犬も目のほとんどが黒眼なんですよね。
じゃあ、ただ曲面を彫ればいいかと問われれば、そうではありません。
目の中心付近に細工をしないと無機質な目になって
どこを見ているのか分からない不気味な感じがでてしまいます。
実は多少中心付近を彫って平たくしてテクスチャに差を出したのですが、
もうちょっと工夫を重ねても良かったなという感じです。

まぁ、失敗も多かったですが得るものも多いですね。
一応ブログで出せる程度のモノにはなりましたし、
一枚目としては成功ということで良いでしょう。一応!

これからジワジワ良くなってくると思うので、乞うご期待。
それでは。