細いドリルの研ぎ・成形
2021
21
こんにちは。
こちらは手彫り工房の彫金教室です。
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細いドリルの成形
前回まででドリル刃を研ぎ、成形しました。
今回は直径1㎜未満の細いドリルの成形をします。
↓今回使用する0.6㎜と1.0mm角の銀線です。

ここでは0.6を使っていますが、
太い0.8mmから始めるとやりやすいかもしれません。
↓ダイヤモンドディスクで細いドリル刃を成形

これで片側の成形終わりました。
ディスクにドリル刃が当たっている時間は一秒もないほどです。
音がしたらもう終わっています。
角度や手の動かし方などは前回と同じです。
なお、上のgif画像はドリルを寝かせすぎですね。
撮りながらで、ズレてしまいました。
もっと立たせて削ったほうが良いのでは?
と思った方はすばらしい感覚といえます。
細いドリル刃の難しい点
細いドリル刃は、まさしくあっと言う間に成形が終わります。
しかし、難易度は上がっています。
まず削る前に
ドリル刃のどこをディスクに当てるべきか確認しなければなりませんが・・・

細すぎて確認も少し難しくなっています。
それでもしっかり目視しなければなりません。
また時間の短さのため、
ドリルをどれくらい傾けて削るべきか、
どのように手を動かすべきか、
どれくらいのスピードで削れるのか、など
しっかり把握していないと失敗します。
特に「どれくらいのスピードで削れるのか」は
細いドリルで練習しないとつかめない感覚です。
最初はどうしても削りすぎてしまうので、
ドリル一本潰すつもりで練習していきましょう。
さらに、細いためにディスクの凹凸すら気になります。
ダイヤモンドの細かい粉が電着してあるダイヤモンドディスクですが、
粒度は完全に同じではありません。
ちょっと大きな粒も混じっています。
低速にしてゆっくり削ろうとすると
大きな粒に引っかかって角度がずれたり刃が欠けたりします。
だからこそ通常の回転速で一瞬で成形していますが、
それでも時々引っかかって欠けちゃうこともあります。
欠けてももう一度成形するだけの話ですが、
ディスクの凹凸が気になる場合は
粒の細かいモノやちょっとお高めのディスクを使うと良いかもしれません。
私は安いのしか使っていないのでこのあたりよくわからないのですが、
高いものほど粒度も均一なはず・・・多分。
違っていたらすみません。
↓#1200はかなり細かい。
細いドリル刃の持ち方
細すぎて削る際の衝撃で曲がったり折れたりする可能性もあります。
ですので、持つときは軽く指を添えましょう。

他の削り方は前述したとおり前回と同じです。
ドリル刃はディスクにできるだけ軽く当てるのが
一応コツと言えなくもないと思います。
如何だったでしょうか。
ケーススタディや訂正などはあるかもしれませんが、
今回でドリル刃については終わりです。
ドリル刃の研ぎ・成形はちょっと地味めな内容だったな、
と思われる方もいるかもしれません。
しかし、技術とはそれ単体で終わるものでは無く、
得てして他の技術に繋がっていくものです。
例えば、宝石の彫り留め・・・とか。(匂わせ)
それでは。