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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

覆輪の研磨

2021
14
こんにちは。

こちらは手彫り工房の彫金教室です。
バックナンバーはコチラから


今回は覆輪の研磨についてです。

ヒートクレイを外す


ヒートクレイなどを使っている場合は研磨する前に外します。
このときリングごと熱湯に浸さなければいけません。
ここで問題になってくるのが
留めている宝石の耐熱性です。
耐熱性の低いものは熱にさらすと曇ったり割れたりすることがあります。

そのため、サンゴや真珠などは
熱が伝わらないよう細心の注意が必要です。
私は耐熱性の低いものの場合はリスクを避けるため
できるだけリングホルダーを使っています。

今回使っているのはムーンストーンなのでそこまで神経質にならなくてもよいですが、
熱にさらさない方が良いのは事実。
石を熱湯に直接つけないようにしつつ、できるだけ早く引き上げるようにしてます。
ヒートクレイ外す

こうやって書くとヒートクレイを使うよりリングホルダーの方が良いのでは?
と思われるかもしれませんが、場合によりけりです。
ヒートクレイのほうがリングをガッチリと保持してくれるので留めやすく、
初めてやるならヒートクレイの方が良いかなとは思っています。
手間はかかりますけどもね。
リングから取った後も油分やカスが少しつくので
軽く再度磨く必要がありますし。
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熱を避けられ、着脱が簡単なリングホルダーとは
状況によって使い分けていきましょう。
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凹凸を均すための研磨


リングを外したらいよいよ研磨です。

覆輪の研磨ではタガネで叩いたあとをきれいにする必要があります。
しかし、覆輪は薄いためあまり削りすぎると強度的な不安が出てきます。

そのため、私は
#800のロールサンダーを使って凹凸を均(なら)し、
その後フェルトバフやシリコンポイント、ブラシを使って鏡面ピッカピカにする
という流れでやっております。
↓石を傷つけないよう、リューター低速で気を付けてやってます。
覆輪研磨1

私は#400のような荒いものは使わない、ということですね。
人それぞれだと思うので、自分のやり方を見つけてください。

↓比較 左側:磨いていないぶぶん、右側:#800で磨いてブラシで軽くきれいにした部分
右研磨左そのまま覆輪留め研磨
#800でも十分にキレイではありますね。
もっと仕上げたい方は前紹介したフェルトバフかシリコンポイントあたりがオススメ。

順序としては#800から茶色のヤツ(松風シリコンポイント)
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それからより細かい緑のヤツでよりピッカピカ
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凹凸を追うか追わないか


固いもので研磨すれば凹凸は均され、
柔らかいもので研磨すれば凹凸ごと研磨されます。
言い換えれば、
固いものだと凹凸は消えやすく、柔らかいと凹凸は残りやすいです。

バフ研磨種類
上の写真でいえば
左はフェルトバフ(フェルトバフに青棒つけたもの)で柔らかく、
右は松風シリコンポイントで固いです。
今回は固いロールサンダーで凹凸を均しているのでどちらでも良いですが、
これも状況によって使い分けていきたいものですね。

リューターを使わない場合


リューターを使わない場合は木材に直接紙やすりを張り付けるのがオススメです。
研磨ペーパー木に張り付け2
上の写真では用途が違うため
端が空いて木材が見えていますが、
覆輪の研磨なら端まできっちりと張り付けた方が良いです。

くっつける木材は持ちやすければ端材で良いですが、
ベニヤなどは割れやすいのであまりおススメはしません

凹凸を追いたいなら間にフェルトを挟んでくっつけると良いでしょう。
研磨ペーパー木に張り付け

直接くっつける場合は木工用ボンドで良いですが、
フェルトを挟む場合は両面テープがオススメです。
ボンドなど液体の接着剤は
フェルトみたいな厚手の布を張り付けるのには向きませんからね。
布が固くなってしまいますし、場合によっては発熱して危ないです。


ブラシを使う時の細かい工夫


留めてある宝石がちょっとでも傷つくのが嫌なので、
ブラシを使う時は下の写真のように石を爪で隠しています。
覆輪研磨爪で隠す
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まぁ、ブラシ(真鍮)の方が柔らかいので傷はほぼつかないと思うのですが、
研磨粉(青棒)もついているし一応という感じです。

こういった細かい工夫は個々人でかなり違うと思います。
みなさんもやっているうちに自分のやり方やこだわりができてくると思います。
せっかく見つけたやり方やこだわりは、
大切にしつつも固執しすぎず、
どういった場面でどのくらい有効かというのを一つ一つ考えていくと
より上手くなれるはずです。

覆輪留めについてはこれでいったん終わりですが、
また気づいたことを後から追加することもあるかもしれません。
次は・・・何やるかまだ決めていません。
ドリルの研ぎとかちょっとやろうかなぁ。どうしようかなぁ。

それでは。