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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

🎼ト音記号を彫っています。

2020
10
こんにちは。
ただいま音符リングの幅広バージョンを彫っています。
音符リング幅2mm verはコチラ

この記事は、幅広バージョンでト音記号🎼を彫るときに試行錯誤した記録です。
(忘れがちな思考過程の備忘録なので、読みにくかったらごめんなさい。)
幅2㎜では彫れなかったので、
幅広バージョンではどうしてもト音記号を彫りたかった・・・。

形と中の線


検討課題は2つ。形と中の線です。
ト音記号検討箇所


1.形
幅広バージョンといっても約3.5mm。
ト音記号を彫るうえでスペースに余裕があるわけではありません。
というか、しっぽを延ばした状態だと厳しいです。
そこで形を少し変える必要が出てきます。

最初に試しに2パターン彫ってみたのがコチラ。
なお真ん中の内側の渦巻きは、
「中の線」の試行錯誤の影響で見にくくなっています。

直立に近いト音記号
ト音記号彫金1

ナナメにして崩したト音記号
ト音記号彫金2

やっぱりナナメの方が余裕がありますが、
ほぼ全てのカーブがヘアピンカーブみたいになるので、
かなり丁寧に彫っていかなければいけないでしょう。

直立に近いバージョンもアリですが、
ナナメの方が躍動感というか楽しい感じになるので好きです。


2.中の線
「何の中」かと言えば、ト音記号🎼の渦巻きの中です。
上の図の赤い線の部分ですね。

この赤い線部分がクセ者でした。
上の2つの写真のように、
ちゃんと彫ると渦巻きが見えにくくなります。

そこで検討と試行錯誤の結果、中の線は完全に省くことにしました。
その結果がコチラ。
ト音記号彫金3

試作なので荒さが残っていますが、
もう少し手を加えれば曲線の美しさが引き立つはず。

他にも彫ったりしたのですが、
どうしても渦巻きの曲線と直線が干渉しあって図として見にくくなってしまいました。
これを回避するには2段階の深さで彫るしかないと思われるのですが、
さらに深く彫るとなると、スペースに加えて厚さも厳しいです。
下手すれば貫通します。

以上の点から、これでリングのト音記号の彫金は決定。
カーブのキツいナナメ、中の線を省く、ということで
とにかく曲線の美しさを出していく方針となりました。

いつかスペースと厚さに余裕があるデザインで
中の線アリのト音記号にも挑戦したい。

それでは。

追記:工夫したら中線アリで彫れました。記事はコチラ