リング編 覆輪留めの枠をロウ付けしてアクセサリーにする
2020
01
こんにちは。
こちらは手彫り工房の彫金教室です。
バックナンバーはコチラから
前回製作した覆輪留めの枠をアクセサリーにしていきます。
リング3タイプ、ネックレス(ペンダント)3タイプです。
今回はリング3タイプ、次回ネックレス3タイプを紹介します。
・・・紹介しますが、全部作るわけにもいかないので、
リングタイプ3だけ写真で他は絵で説明させてもらってます。
ロウ付けのやり方がわからない方は彫金教室バックナンバー3章をご覧ください。
ちゃんとした完成品を目指すなら、サイズ棒(芯金・芯棒)が必須です。
これがないと、大きすぎたり、小さすぎたり、変な歪みが出ます。
一般的によく売られているのが短い溝付きタイプ。
持っているリングの号数を確認するには良いですが、
リングの製作はやりにくいです。
とはいえ、
細い線(1mm角以下)のリング、 リングのタイプ2か3、
あるいは2~5号くらいの小さめの号数
なら影響は小さいでしょう。
今回溝付きタイプでやる、という方は腕を細めの線にするのがオススメです。
綺麗な円のリングを作りたいなら、溝が無いタイプの芯棒が良いです。
つまり、溝ナシ目盛りナシ(見た目はただの金属棒)
もしくは溝ナシ目盛りアリ(号数が書いてあって便利)
長い芯棒・芯金であれば、幅の広いリングも作りやすいです。
目盛りナシはノギスとセットで使う
目盛りあるとお高め
できれば金属製が良いですが、
間に合わせで木製でも大丈夫・・・だと思います。
(当方、木製はバングルの芯棒しか持っていない)
使っていると傷や凹みが出てくるので、
それが不便に感じたら金属製に買い替えるというのもアリです。
あとは、
同じく成形目的で樹脂製ハンマー(木槌でも可)と
小さめの金槌(オタフク槌など)も必要です。
樹脂製ハンマーはリングを傷つけずに歪みを直します。
金属はほぼ延びません。
なお、樹脂製ハンマーはよくセット売りされています。
芯金の長さはちょっと短め
オタフク槌は金属を彫るのにも使います。
一章・二章をやった方なら持っているハズ。
なお前にも書きましたが、
安く手に入れるならオークションやフリマサイトなどで粘るのも手です。
私もよく見にいっております。
先にリングを作って後から枠を乗っけるタイプです。
失敗が少ないので、まず一つ完成させたい方にオススメ。
まずはリングの作り方から。
線がない方は、板の端のヒビ割れたところを取り除いてから
切り出していきます。
この線の幅がリングの幅になります。
作りたいリングや芯棒などの事情により太さを変えていきましょう。
↓イトノコで切っていますが、ヤスリで削ってもOK

↓必要な長さを調べ、数ミリ長めに切りだしておきましょう。

目盛りの無い芯棒の場合はノギスと併用します。
具体的には、作りたいリングの号数の直径を調べて
ノギスを直径の長さの分開く。
ノギスで芯棒の直径と合う部分を探し、テープなどで目印をつけておきます。

ナマしながら芯棒と銀線を合わせていくのですが、
目的の号数より少し(平角線で0.5号くらい、丸線なら0.3号くらい)
小さく合わせましょう。

↑芯棒と合わせた後の銀線ですが、微妙に取り切れない歪みがあります。
ロウ付けした後の成形で、
その歪みのために号数が大きくなっていることに気づくのです。
あとは長すぎる部分をできるだけ正確に切ってヤスリで整えロウ付け。
リングが繋がったら、芯棒と樹脂製ハンマーで成形。
号数が小さかったら、研磨時に内側を削る(強めに研磨する)
もしくはオタフク槌で叩いて金属を延ばします。
号数が大きかったら、ロウ付けした部分を切ってから
もう一度長さを調整してロウ付けしなおしです。
初めてだと号数の調整は時間がかかります。
思わぬ失敗もあるかもしれません。
でもゆっくり丁寧にやっていけば必ずできるはずです。
リングができたら、枠を乗せるところを削って平らにします。

この時、平らにした面が傾いていないか注意してください。
枠も同じ方向に傾きます。
平たいリングならよっぽど大丈夫でしょうが、
丸線だと微妙に傾くこともあります。
あとは平らにしたところに枠を乗せてロウ付けすれば完了。

ロウ付けは石枠に炎を当てすぎないようにしましょう。
ロウの流れる方向を意識しながらロウとリングの腕を中心に熱すると良いでしょう。
時には頭を柔らかくしてロウの置き方などにも気をつかってみて下さい。
リングが細いと石枠の下に開けた穴が大きいとロウ付けしづらいかもしれません。
その場合は穴ナシの枠を作り、あとから穴を開ける方式もアリです。
枠の裏面に二か所くっつけるタイプです。
タイプ2は何となく細い線のイメージが強いので、
絵や説明などは丸線を使う感じでやっております。
まず片側だけロウ付けしてから、よくナマして芯棒に沿わせます。
タイプ1でもそうでしたが、ココは本当にきっちりやらないと大抵ユルくなります。

丸線をきっちり沿わせたら枠のフチが当たる部分にケガキし、
ロウ付けする部分を残して長すぎる部分を切ります。


丸線のロウ付け部分を削って平らにし、ロウ付けします。
枠下の線の先端部分は指に当たるので、削って滑らかにしましょう。
あとは芯棒に通してきれいな輪っかにできれば完了。
サイズが大きすぎる場合や調整が利かないほど小さい場合はやり直しです。
タイプ3は腕で枠を挟みます。
具体的には、枠の横にリングの腕が来ます。
片側ロウ付けして、もう片側というタイプ2と作業手順はほぼ同じです。
注意する点は、枠の下の方にくっつけることです。
真ん中より上だと覆輪が倒しづらくなることがあります。
↓平角線タイプ 線の横と枠の横をくっつける

角を落とすとシャープな感じに

曲げにくかったら、小さな芯金で線を成形するのもアリです。

丸線も丸めて飾りにしたりできます。

私が実際に作ってみたのは、平角線を斜めにくっつけるタイプです。
ここからはじまって

長い部分を折り曲げてから
赤矢印の角の部分を削りました。
↓ゴリゴリと

↓ピントあってなくて申し訳ない

しっかり石枠にフィットするよう削りました。
逆側も同じように削り、ロウ付け

だ円型に歪んでいたので、丸ヤットコでググっと直し

樹脂製ハンマーで歪みを取る

サイズ一号と合っているのを確認

ここで酸洗い(次々回、詳しく書きます。)

折り曲げた方も斜めにくっついてます。

ナナメにくっつけた理由は採光です。
今回私が使うムーンストーンは半透明なので、
光が入る方が宝石が美しくなります。
もちろん、透明でない石は採光に気を使う必要はありません。
石枠下に開けた穴が指と距離があると光が入りやすく、
ナナメだとデザイン的にも自然で良い感じです。
なお、線の長すぎる部分を折り曲げたのは、
あんな風に飾りをつけることもできるよ、というサンプルで
特に意味はありません。
失敗しやすいのは指輪のサイズとロウ付け。
特にタイプ2,3はロウ付け面積が小さく、
ロウ付けが甘いとサイズ調整の時に取れてきます。
最初は色々失敗するかもしれませんが、
ゆったりやっていきましょう。
火の当て方、ロウの置き方、ピンセットでどこを持つか、などなど
私もまだまだな所が多いです。
それでは。
こちらは手彫り工房の彫金教室です。
バックナンバーはコチラから
前回製作した覆輪留めの枠をアクセサリーにしていきます。
リング3タイプ、ネックレス(ペンダント)3タイプです。
今回はリング3タイプ、次回ネックレス3タイプを紹介します。
・・・紹介しますが、全部作るわけにもいかないので、
リングタイプ3だけ写真で他は絵で説明させてもらってます。
ロウ付けのやり方がわからない方は彫金教室バックナンバー3章をご覧ください。
必要なもの 覆輪リング
ちゃんとした完成品を目指すなら、サイズ棒(芯金・芯棒)が必須です。
これがないと、大きすぎたり、小さすぎたり、変な歪みが出ます。
一般的によく売られているのが短い溝付きタイプ。
持っているリングの号数を確認するには良いですが、
リングの製作はやりにくいです。
とはいえ、
細い線(1mm角以下)のリング、 リングのタイプ2か3、
あるいは2~5号くらいの小さめの号数
なら影響は小さいでしょう。
今回溝付きタイプでやる、という方は腕を細めの線にするのがオススメです。
綺麗な円のリングを作りたいなら、溝が無いタイプの芯棒が良いです。
つまり、溝ナシ目盛りナシ(見た目はただの金属棒)
もしくは溝ナシ目盛りアリ(号数が書いてあって便利)
長い芯棒・芯金であれば、幅の広いリングも作りやすいです。
目盛りナシはノギスとセットで使う
目盛りあるとお高め
できれば金属製が良いですが、
間に合わせで木製でも大丈夫・・・だと思います。
(当方、木製はバングルの芯棒しか持っていない)
使っていると傷や凹みが出てくるので、
それが不便に感じたら金属製に買い替えるというのもアリです。
あとは、
同じく成形目的で樹脂製ハンマー(木槌でも可)と
小さめの金槌(オタフク槌など)も必要です。
樹脂製ハンマーはリングを傷つけずに歪みを直します。
金属はほぼ延びません。
なお、樹脂製ハンマーはよくセット売りされています。
芯金の長さはちょっと短め
オタフク槌は金属を彫るのにも使います。
一章・二章をやった方なら持っているハズ。
なお前にも書きましたが、
安く手に入れるならオークションやフリマサイトなどで粘るのも手です。
私もよく見にいっております。
覆輪リングタイプ1 腕を削って平らに
先にリングを作って後から枠を乗っけるタイプです。
失敗が少ないので、まず一つ完成させたい方にオススメ。
まずはリングの作り方から。
線がない方は、板の端のヒビ割れたところを取り除いてから
切り出していきます。
この線の幅がリングの幅になります。
作りたいリングや芯棒などの事情により太さを変えていきましょう。
↓イトノコで切っていますが、ヤスリで削ってもOK

↓必要な長さを調べ、数ミリ長めに切りだしておきましょう。

目盛りの無い芯棒の場合はノギスと併用します。
具体的には、作りたいリングの号数の直径を調べて
ノギスを直径の長さの分開く。
ノギスで芯棒の直径と合う部分を探し、テープなどで目印をつけておきます。

ナマしながら芯棒と銀線を合わせていくのですが、
目的の号数より少し(平角線で0.5号くらい、丸線なら0.3号くらい)
小さく合わせましょう。

↑芯棒と合わせた後の銀線ですが、微妙に取り切れない歪みがあります。
ロウ付けした後の成形で、
その歪みのために号数が大きくなっていることに気づくのです。
あとは長すぎる部分をできるだけ正確に切ってヤスリで整えロウ付け。
リングが繋がったら、芯棒と樹脂製ハンマーで成形。
号数が小さかったら、研磨時に内側を削る(強めに研磨する)
もしくはオタフク槌で叩いて金属を延ばします。
号数が大きかったら、ロウ付けした部分を切ってから
もう一度長さを調整してロウ付けしなおしです。
初めてだと号数の調整は時間がかかります。
思わぬ失敗もあるかもしれません。
でもゆっくり丁寧にやっていけば必ずできるはずです。
リングができたら、枠を乗せるところを削って平らにします。

この時、平らにした面が傾いていないか注意してください。
枠も同じ方向に傾きます。
平たいリングならよっぽど大丈夫でしょうが、
丸線だと微妙に傾くこともあります。
あとは平らにしたところに枠を乗せてロウ付けすれば完了。

ロウ付けは石枠に炎を当てすぎないようにしましょう。
ロウの流れる方向を意識しながらロウとリングの腕を中心に熱すると良いでしょう。
時には頭を柔らかくしてロウの置き方などにも気をつかってみて下さい。
リングが細いと石枠の下に開けた穴が大きいとロウ付けしづらいかもしれません。
その場合は穴ナシの枠を作り、あとから穴を開ける方式もアリです。
覆輪リングタイプ2 下2か所くっつけ
枠の裏面に二か所くっつけるタイプです。
タイプ2は何となく細い線のイメージが強いので、
絵や説明などは丸線を使う感じでやっております。
まず片側だけロウ付けしてから、よくナマして芯棒に沿わせます。
タイプ1でもそうでしたが、ココは本当にきっちりやらないと大抵ユルくなります。

丸線をきっちり沿わせたら枠のフチが当たる部分にケガキし、
ロウ付けする部分を残して長すぎる部分を切ります。


丸線のロウ付け部分を削って平らにし、ロウ付けします。
枠下の線の先端部分は指に当たるので、削って滑らかにしましょう。
あとは芯棒に通してきれいな輪っかにできれば完了。
サイズが大きすぎる場合や調整が利かないほど小さい場合はやり直しです。
覆輪リングタイプ3 挟む
タイプ3は腕で枠を挟みます。
具体的には、枠の横にリングの腕が来ます。
片側ロウ付けして、もう片側というタイプ2と作業手順はほぼ同じです。
注意する点は、枠の下の方にくっつけることです。
真ん中より上だと覆輪が倒しづらくなることがあります。
↓平角線タイプ 線の横と枠の横をくっつける

角を落とすとシャープな感じに

曲げにくかったら、小さな芯金で線を成形するのもアリです。

丸線も丸めて飾りにしたりできます。

私が実際に作ってみたのは、平角線を斜めにくっつけるタイプです。
ここからはじまって

長い部分を折り曲げてから
赤矢印の角の部分を削りました。
↓ゴリゴリと

↓ピントあってなくて申し訳ない

しっかり石枠にフィットするよう削りました。
逆側も同じように削り、ロウ付け

だ円型に歪んでいたので、丸ヤットコでググっと直し

樹脂製ハンマーで歪みを取る

サイズ一号と合っているのを確認

ここで酸洗い(次々回、詳しく書きます。)

折り曲げた方も斜めにくっついてます。

ナナメにくっつけた理由は採光です。
今回私が使うムーンストーンは半透明なので、
光が入る方が宝石が美しくなります。
もちろん、透明でない石は採光に気を使う必要はありません。
石枠下に開けた穴が指と距離があると光が入りやすく、
ナナメだとデザイン的にも自然で良い感じです。
なお、線の長すぎる部分を折り曲げたのは、
あんな風に飾りをつけることもできるよ、というサンプルで
特に意味はありません。
失敗しやすいのは指輪のサイズとロウ付け。
特にタイプ2,3はロウ付け面積が小さく、
ロウ付けが甘いとサイズ調整の時に取れてきます。
最初は色々失敗するかもしれませんが、
ゆったりやっていきましょう。
火の当て方、ロウの置き方、ピンセットでどこを持つか、などなど
私もまだまだな所が多いです。
それでは。