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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

ノギスの読み方、使い方

2020
02
こんにちは。

こちらは手彫り工房の彫金教室です。
バックナンバーはコチラから


今回はノギスの読み方、使い方です。
本当は他記事の一部だったのですが、
参照することが多そうなので独立させました。

彫金におけるノギス


ノギスは定規より精密に長さを測ることができます。
一般的には0.05mmまで目盛りがあり、目視を加えれば0.01mmまで長さを出せます。

彫金においては、板の厚さを測ることが多いです。
あとは、線の幅、宝石の直径や長さなど
地味ながら無いと困る道具です。


ノギスの各部名称


ノギスは各部で名前が細かくついてますが、
本尺目盛と副尺目盛だけ覚えておけばOKです。
あとは、ネジがストッパーになっている位でしょうか。
ノギス各部名称

ストッパーは軽く緩めるだけで動かすことができます。
くれぐれも外して無くさないようにしましょう。

ノギスの使い方


ノギスの使い方は簡単。
測りたいものを挟むだけです。(逆側の突起で内径を測ることもできます。)
ノギス使い方1
ノギス使い方2

そして、挟んだらストッパーのねじを締めて
目盛りを読み取ります。

ノギスの読み取り方


初めはこの目盛りが難しいと思いますので、読み取り方を紹介します。

1.副尺目盛0を見る
まずは小さい目盛りの0のところに注目します。
副尺目盛0の位置で
本尺目盛の数値をわかる分(ミリ単位)だけ読み取ります。
ノギス読み取り1
ノギス読み取り2
↑写真では3ミリと4ミリの間に副尺目盛りの0があるので、
 3.??mm(さん てん はてなはてな ミリ)ですね。

2.ぴったり合うところを見つける。
次にわからなかった部分(十分の一mm以下)を読み取っていきます。

理論はさておき、やることは簡単。
副尺目盛と本尺目盛の線で
どこかぴったり合うところを探しましょう。
↓どこがぴったりかわかりますか?
ノギス読み取り3







↓青線部分がぴったり賞です。
ノギス読み取り4

ぴったり合うところを探して読み取れば「はてなはてな」がわかります。
上の写真では「7.5」ですよね。
すなわち、「はてなはてな」に入る数字は「75」で
長さは「3.75mm」と読み取れました。


ぴったり合うところがなければ・・・


本来、ぴったり合うところが無ければ残りは目視で読み取ります。

例えば、長さ3.73mmであれば0.05mmの目盛りではきっちり読み取れず、ぴったり合いません。
そのようなときは、3.70と3.75の間だけど、目で見た感じ3.75にちょっと近いから3.73
といったように決めます。
これが目視で0.01mmの単位まで読むということです。

しかし、彫金において0.01mmまで読む必要があるのか?
と聞かれれば、大抵の場合NOです。必要ないです。
何なら、削ったりして微調整したりしますし。

そのため、もしぴったり合うところがなければ、
一番ぴったりに近い目盛りを読めばOKです。

意地の悪い例題


最後に一つ例題です。読み取れるでしょうか?
ノギス例題









答え
正解:3㎜ぴったり
大正解:3.01mm

本記事で書いたのは
1・副尺目盛りの0から読み取り
2・本尺目盛りと副尺目盛りのぴったりを探す。
という2ステップで完了という手順でしたね。

しかし、この例題では
副尺目盛りの0が本尺目盛りとぴったり
と読み取れるので3mmぴったりが正解。

ステップ1で完了してしまうという
虚を突いた例題です。


ただ、実はよく見てみると
本尺目盛りと副尺目盛り、
本当に微妙にですがズレていますよね。

このズレを読み取り、3.01mm(目視のブレを考慮し3.02mmも可)
と解答できたなら大正解です。

・・・・・彫金では3mmで十分ですがね。

意地悪な例題でしたが、1mmちょうど、などはよくあります。
わからなかった方も、
読み取り方が理解できていれば
ちょっと落ち着いて考えると読み取れるハズです。

読み取れなかったあなたへ


記事を最後まで読んでみたけど、読み取れる気がしない
というあなたへ。

あるいは、目が悪くて細かい目盛りなんて読んでられないよ!
というあなたへ。

世の中便利なもので、デジタルノギスというものがございます。

私は取り回しの良さなどから普通のノギスの方が好きですが、
長さが測れさえすれば何でもよいです。
読み取れなかったなら、遠慮なく文明の利器に頼りましょう。
苦手なことを無理やりする必要はありません。
得意を伸ばした方が、彫金は楽しいですからね。


次回の彫金教室は覆輪留めのパーツを作っていきます。

それでは。