線引きをしてインゴットを銀線にする
2020
02
こんにちは。
こちらは手彫り工房のweb彫金教室です。
彫金教室まとめはコチラ
今回はついにインゴットが線になります。

まず最初に全体の流れを書いておきます。
はじめの方の流れ
①線をなます
②線引き盤でちょうど良い穴を探す。
③エンマとC型クランプで挟む
④線引き機にセッティングして線引きする
2,3回線引きした後の流れ
1 線をなます
2 線引き盤でちょうどよい穴を探す
3 穴から頭が出るように線の先端を細くする
4 油を塗る
5 エンマとC型クランプで挟む
6 線引き機にセッティングして線引きする
こうして段々線引き盤の小さな穴に線を通していき、
線を細く、長くしていくのです。
以下、1~6の詳細を書いていきます。
ここは前後しても構わないので、一括して扱います。
書いてあるまんまですね。
線を熱して、線引き盤で合う穴を探します。
線を熱するときはまんべんなく、
基本的に溶かすまでいかないようにしましょう。
色が赤くなるくらいで十二分になませています。
線が細くなってくると熱しすぎになりやすいので注意です。
熱しすぎると線にス(細かな穴)が開いたりして弱くなります。
なお、場合によりますが、なましは毎回する必要はありません。
だいたい一回置きか二回置きくらいですね。
「線引き盤に合う穴を探す」は一番初めが迷いやすいですね。
スルスルと線全体が通る穴から順に通していくと、
途中で引っかかる穴に当たると思います。
途中で引っかかった穴より一つ小さい穴が
大抵の場合「合う穴」です。
一回通せたら、次に通すのは基本的に隣の穴です。
ある程度細くなってきて、なました直後なら1つとばすのもアリですね。
何回か線引きすると先端も線引き盤の穴に通らなくなります。
先端をエンマで挟んで引き出すので、先端を細くしなければなりません。
↓先端が太くて出てこない。

線が太いうちは先端だけなましながら
ハンマーで叩くかローラーで伸ばすかがよいです。
線が細くなってきたら、ヤスリで削ります。
細くするのは叩いたり伸ばしたりする方が速くできます。
しかし、線そのものが細い状態で叩くと
線が割れて繊維状になってきます。
繊維状になったらそこを挟んで線引きすることはできません。
ちょっとの割れを見逃さなければ
叩く→削ると変えるタイミングを押さえることができるでしょう。

平角線では、やり方にもよりますが、
幅2㎜くらいまでは叩いても大丈夫です。
↓5mmくらい先端が出れば線引きできます。

油を塗ると摩擦を減らして線引きをしやすくなります。
力のかかりすぎによって線の状態が悪くなることも防げます。
太めの線ではなくても一応できるけど、あったほうが良い、
みたいな立ち位置です。
細い線では必須です。
とはいえ、最初から塗る必要はありません。
2,3回線引き盤に通してからでよいでしょう。
なぜなら、最初のころは線の表面がボコボコしており、
盤の穴と接している部分が少ないためです。
接している部分が少ないなら、軽減される摩擦も少なく、
メリットより手間がかかるというデメリットが大きいというわけですね。
油は安い植物油でOK。
ただ、油が垂れて周辺が汚れることがあります。
慣れないうちは汚れてもよい服で新聞紙などを敷いて油をつけましょう。
油はエンマで挟む先端以外に満遍なくつけられれば、少量でOK。
直接漬けてもよいですし、ティッシュペーパーなどにつけて伸ばしてもよいでしょう。
表面に油の膜ができさえすれば良いので、
自分の方法を見つけてみてください。
先端を細くして油をつけたら
線引き盤からでた線の頭をエンマと小さなC型クランプで挟みます。
C型クランプの持ち手は線引き機にセッティングしたとき
上側に来るようにしましょう。

C型クランプを締める時の力加減は慣れが必要です。
線が太いうちは普通にギュっと締めればOK
難しいのは線が細いときです。
締め方が強すぎると強く叩いた時同様、
先端が繊維状になってしまいます。
かといって挟む力が弱すぎるとエンマが外れてしまうため、
力加減で慣れが必要なのです。
なお、直径1mmの丸線くらい細くなってくると、
手で直接持って線引きできるようになってきます。
手で持てば微妙な力加減も思いのままなので、
逆にやりやすいですね。
あとはポンと置いてウインチで引くだけ。
線引き盤がナットの上に乗るように手を添えると安定します。

ケガは注意して初めての方は慎重にやっていきましょう。
↓レバーを回すときに勢い余って手を擦ってケガをする可能性もある

私は畳なので滑りませんが、
板の間でやるかたは滑り止めのシートか何か欲しいかもしれません。
いや、そもそもこの作業に限らず板の間はキズが付きやすいので、
作業される方は何かしら敷いておいたほうが良いですね。
引くときに注意が最も必要なのは、
ウインチのストッパーが付いていたままの方です。
引きづらいなと思ったら、早めに線引きをストップしましょう。
線が引っかかると進退窮まります。
ワイヤーなど丈夫な紐をストッパーに引っ掛けて
無理やりストッパー解除するしかやりようがなくなります。
いかがだったでしょうか?
ちょいちょいいい加減な部分もありましたよね。
場合によって、とか
慣れが必要、とか。
あいまいな文言が多いのは
やってみればわかる、という部分が多いからです。
色々書きましたが、一番難しいのは線引き機をちゃんと作るところです。
ちょっと失敗しても、1,2本線引きすればかなりコツをつかむことができるでしょう。
線引きは案ずるより産むがやすしです。
まずやってみましょう。
それでは。
こちらは手彫り工房のweb彫金教室です。
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今回はついにインゴットが線になります。

線引き機を使う流れ
まず最初に全体の流れを書いておきます。
はじめの方の流れ
①線をなます
②線引き盤でちょうど良い穴を探す。
③エンマとC型クランプで挟む
④線引き機にセッティングして線引きする
2,3回線引きした後の流れ
1 線をなます
2 線引き盤でちょうどよい穴を探す
3 穴から頭が出るように線の先端を細くする
4 油を塗る
5 エンマとC型クランプで挟む
6 線引き機にセッティングして線引きする
こうして段々線引き盤の小さな穴に線を通していき、
線を細く、長くしていくのです。
以下、1~6の詳細を書いていきます。
1,2 線をなまして穴を探す
ここは前後しても構わないので、一括して扱います。
書いてあるまんまですね。
線を熱して、線引き盤で合う穴を探します。
線を熱するときはまんべんなく、
基本的に溶かすまでいかないようにしましょう。
色が赤くなるくらいで十二分になませています。
線が細くなってくると熱しすぎになりやすいので注意です。
熱しすぎると線にス(細かな穴)が開いたりして弱くなります。
なお、場合によりますが、なましは毎回する必要はありません。
だいたい一回置きか二回置きくらいですね。
「線引き盤に合う穴を探す」は一番初めが迷いやすいですね。
スルスルと線全体が通る穴から順に通していくと、
途中で引っかかる穴に当たると思います。
途中で引っかかった穴より一つ小さい穴が
大抵の場合「合う穴」です。
一回通せたら、次に通すのは基本的に隣の穴です。
ある程度細くなってきて、なました直後なら1つとばすのもアリですね。
3 叩くか削って先端細く(最初のほうは不要)
何回か線引きすると先端も線引き盤の穴に通らなくなります。
先端をエンマで挟んで引き出すので、先端を細くしなければなりません。
↓先端が太くて出てこない。

線が太いうちは先端だけなましながら
ハンマーで叩くかローラーで伸ばすかがよいです。
線が細くなってきたら、ヤスリで削ります。
細くするのは叩いたり伸ばしたりする方が速くできます。
しかし、線そのものが細い状態で叩くと
線が割れて繊維状になってきます。
繊維状になったらそこを挟んで線引きすることはできません。
ちょっとの割れを見逃さなければ
叩く→削ると変えるタイミングを押さえることができるでしょう。

平角線では、やり方にもよりますが、
幅2㎜くらいまでは叩いても大丈夫です。
↓5mmくらい先端が出れば線引きできます。

4 油を塗るのは3回くらい通してから
油を塗ると摩擦を減らして線引きをしやすくなります。
力のかかりすぎによって線の状態が悪くなることも防げます。
太めの線ではなくても一応できるけど、あったほうが良い、
みたいな立ち位置です。
細い線では必須です。
とはいえ、最初から塗る必要はありません。
2,3回線引き盤に通してからでよいでしょう。
なぜなら、最初のころは線の表面がボコボコしており、
盤の穴と接している部分が少ないためです。
接している部分が少ないなら、軽減される摩擦も少なく、
メリットより手間がかかるというデメリットが大きいというわけですね。
油は安い植物油でOK。
ただ、油が垂れて周辺が汚れることがあります。
慣れないうちは汚れてもよい服で新聞紙などを敷いて油をつけましょう。
油はエンマで挟む先端以外に満遍なくつけられれば、少量でOK。
直接漬けてもよいですし、ティッシュペーパーなどにつけて伸ばしてもよいでしょう。
表面に油の膜ができさえすれば良いので、
自分の方法を見つけてみてください。
5 エンマとC型クランプで挟む
先端を細くして油をつけたら
線引き盤からでた線の頭をエンマと小さなC型クランプで挟みます。
C型クランプの持ち手は線引き機にセッティングしたとき
上側に来るようにしましょう。

C型クランプを締める時の力加減は慣れが必要です。
線が太いうちは普通にギュっと締めればOK
難しいのは線が細いときです。
締め方が強すぎると強く叩いた時同様、
先端が繊維状になってしまいます。
かといって挟む力が弱すぎるとエンマが外れてしまうため、
力加減で慣れが必要なのです。
なお、直径1mmの丸線くらい細くなってくると、
手で直接持って線引きできるようになってきます。
手で持てば微妙な力加減も思いのままなので、
逆にやりやすいですね。
6 線引き機にセッティングして線引きする
あとはポンと置いてウインチで引くだけ。
線引き盤がナットの上に乗るように手を添えると安定します。

ケガは注意して初めての方は慎重にやっていきましょう。
↓レバーを回すときに勢い余って手を擦ってケガをする可能性もある

私は畳なので滑りませんが、
板の間でやるかたは滑り止めのシートか何か欲しいかもしれません。
いや、そもそもこの作業に限らず板の間はキズが付きやすいので、
作業される方は何かしら敷いておいたほうが良いですね。
引くときに注意が最も必要なのは、
ウインチのストッパーが付いていたままの方です。
引きづらいなと思ったら、早めに線引きをストップしましょう。
線が引っかかると進退窮まります。
ワイヤーなど丈夫な紐をストッパーに引っ掛けて
無理やりストッパー解除するしかやりようがなくなります。
いかがだったでしょうか?
ちょいちょいいい加減な部分もありましたよね。
場合によって、とか
慣れが必要、とか。
あいまいな文言が多いのは
やってみればわかる、という部分が多いからです。
色々書きましたが、一番難しいのは線引き機をちゃんと作るところです。
ちょっと失敗しても、1,2本線引きすればかなりコツをつかむことができるでしょう。
線引きは案ずるより産むがやすしです。
まずやってみましょう。
それでは。