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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

インゴットを延ばして整える。

2019
10
こんにちは。

こちらは手彫り工房の彫金教室です。
彫金教室のバックナンバーはコチラ。

今回からインゴットをローラーと金槌で延ばしていきます。
ひとまず、線引き盤の一番大きな穴に入るまで細くできればOKです。
ただ、できるだけキレイな形(断面が正方形)でより細く延ばせると
線引きの回数が減らせて楽できます。

基本は圧延ローラー使用を推奨


ちょっとお高めではありますが、基本的に圧延ローラーをオススメしたい工程です。
金槌だけと比べて時間、労力が段違い。
5g以下の小さいインゴットなら金槌だけでなんとかなるかもしれませんが、
それ以上だと腕が痛いことうけあいです。
↓小型のローラーですが、十二分に活躍してくれています。確か一万円ほどで落札しました。
圧延ローラー全体


圧延ローラーの使い方は簡単。
ただインゴットを差し込んでレバーを回すだけです。
ローラーの上下動も触ればわかるハズ。
手動なのでギアに手を巻き込むなどはあまり無いとは思いますが、
小さな子供やペットのいるところでは使わないようにしましょう。
圧延ローラー

圧延ローラーはオークションサイトなどで時々お得な出物があるので、
粘ってみるのも良いでしょう。
↓相場をAmazonで調べておくとGOOD


金槌でインゴットをたたく。


インゴットが大きすぎると圧延ローラーに入らないことがあります。
また、ローラーで延ばしているとインゴットが平行四辺形に歪んでしまうこともよくあります。
そんな時は金槌でインゴットをたたく必要があります。
↓たいてい部分的に歪みます。
インゴットの出っ張りをを叩く


インゴットは思いのほか小さくてツルツルです。
つまり、手でインゴットを固定して金槌でたたくと、ケガしやすいです。
ヤットコやペンチで固定しましょう。

ヤットコ・ペンチは先が細くなっておらず、また先が短いものを使いましょう。
細いと挟みづらく、先が長いとハンマーで叩くとき邪魔になります。
ヤットコ (2)

平行四辺形の歪みを直すとき、
ナナメになったインゴットをヤットコで固定することになります。
インゴットがすっぽ抜けやすいので、ヤットコをしっかり握りましょう。
インゴット固定 (3)


使用する金槌は鉄製なら大抵大丈夫です。
私は7分の大きさのオタフク槌で回数を叩きますが、
大きな金槌を使ってもOKです。
↓7分のオタフク槌。多分1秒に2回くらいのテンポで叩いていると思う。
オタフク槌七分

線引き盤に通す目安


初めてだと、どこまで細くすれば良いかわかりませんよね。
縦方向に延ばす場合、意外と横幅は大きく延びません。
そのため、通したい穴の横幅より少し小さいくらいで大丈夫です。

・・・・基本は。

ここで歪みの有無が問題になってきます。
歪みがあればあるほど幅に余裕がないといけません。
程度問題ではありますが、歪みを放置したまま延ばすより、
歪みを直したほうが最終的に近道のことが多いです。

↓歪みが少ないならこれくらいでOK
線引き盤目安
歪みが大きい場合は、一番幅の広い部分を基準にしましょう。

インゴットが細く出来たら、
ローラーで潰して平角線に縦横比を近づけて
この工程は完了です。
インゴットでローラーから線引きへ (6)
インゴットでローラーから線引きへ (8)

次は線引盤に通していきます。

それでは。