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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

彫金における銀線の作り方・自作 ~溶かすのに必要な道具とチョコ皿の下準備~

2019
22
こんにちは。

こちらは『彫金教室』の記事です。
彫金教室バックナンバーはコチラ

今回は金属を溶かす前の下準備です。

溶かせるバーナー


銀や銅を溶かすならどちらかのバーナーをオススメします。


1700度以上出るものなら、たぶん大丈夫です。
2000度なら、量にもよりますが、早めに溶けます。


以下、説明を。

銀95%、銅5%をバーナーで溶かします。

・・・溶かしていくのですが、
銀や銅を溶かせるバーナーと溶かせないバーナーがあります。

銀の融点は961.8度、銅の融点は1,085度です。
多くのバーナーは最高1200度くらいはでるので、
数字だけ見れば溶けるような気がしますよね。

しかし、残念ながら、それは最高温度なのです。
バーナーの炎も内側と外側で色が違うのですが、
最高温度はその間です。
図で表すなら赤色の部分。
トーチ・バーナー 還元炎の場所
最高温度、狭いですよね。
一部の最高温度で融点を上回っても、
他が融点を下回っていたら金属はなかなか溶けてくれません。
だから、最高温度が融点を大きく上回るバーナーを使う必要があるのです。

バーナーの温度などについてはロウ付けに関する記事が詳しいので、
よろしければドウゾ。

金属を流すあけ型


金属を流すための型は、大別すると縦あけ型と横あけ型があります。

私は最初に買った小さな横あけ型で用が足りておりますので、
縦については語れないです。残念です。
興味のある方は専門店販売しているので、調べてみてください。

専門店まとめ記事はコチラ。

小さい横あけ型
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Harp(ハープ)横あけ型 ミニ No.H107
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縦あけ型
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S&F(シーフォース)縦あけ型 丸平両対応型
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チョコ皿の準備


チョコ皿とは下のような耐熱温度が非常に高いお皿です。

私はもっと薄くてお安いのを使っていますが、
Amazonでは厚めのチョコ皿しかありませんでしたね。
こちらも専門店ならあるかと思いますので、そちらを覗いてみるのもよいでしょう。

るつぼハサミはありました。
チョコ皿やるつぼを挟むものです。


チョコ皿の下準備



チョコ皿の準備とは・・・
金属を型に注ぎやすくするため、フチを一部削り、
金属を型に注ぎやすくするため、フラックスを蒸発させて皿内側をツルツルにすることです。

「金属を型に注ぎやすくするため、」と2回も書いておりますが、わざとです。
それくらい重要なんですね。

チョコ皿のフチを削る


注ぎ口を作るためにフチをヤスリで削っておきます。
チョコ皿フチ削る
これだけです。
ボロボロと粉がでるので、注意しましょう。

ツルツルにするとは


ホウ砂の水溶液を蒸発させ、赤熱するまで熱すると
表面がガラス質になってツルツルになります。
チョコ皿ツルツル
この状態だと金属が流れやすくなります。

始めからツルツルにするのも良いですが、
ツルツルではない状態を一度体験しておくとそれも良い経験となります。

そこで、下準備はこれくらいにしておきます。
チョコ皿ツルツル前
ホウ砂の飽和水溶液をバーナーで蒸発させるとこんな感じになります。
赤熱するほどの温度ではなくただ蒸発させただけです。

この状態で金属を溶かせば、溶かし終わった頃にはツルツルになります。


もうちょっとだけ下準備は続きます。

それでは。