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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

六花 雪のシルバーリング

2018
31
こんにちは。

こちら手彫り工房の作品&商品紹介です。
今回は、「六花 雪のシルバーリング」です。

六花 ろっか りっか 雪の結晶


ろっか りくか りっか ろくはな・・・「六花」はいくつか読み方があります。
私はリッカと心の中で読んでいますが、お好きな読み方でOKです。

六花とは雪のことです。
雪の結晶が六角形であることからの別名です。
今回の彫金は六枚花弁の花に見えなくもないですし、ピッタリの名前かなと思っております。
六花1

そう、今回彫ったのは六角形
これまでにあまり彫った事のない形式でした。

雪の結晶を彫ろうと決めて


もうすぐ冬ですし、まず雪の結晶を幅2mmのリングに一周模様として彫ろうと決めました。
でも、雪の結晶といっても色々な形や模様があります。

・・・どうしよう?
と、そこで悩んでしまうわけです。
真っ先にイメージできる樹状の結晶はこのような形ですが↓
雪の結晶
3㎜幅でもキツイです。
2㎜幅で頑張って彫ってみたら、魚の骨みたいになりました(笑)
う~んムズイ。やるにしてももうちょっと広くないと美しくならない。
平面的にして形だけ気にするなら、
何とか樹状の結晶も2㎜幅でいけるかもしれないという感じでした。
今度、樹状も広めの幅でしっかり彫ってみたいですね。

それでは、四角形にするのか?
というとそれでは雪の結晶のイメージとは離れてしまいます。
(四角形の雪の結晶もあるにはありますが。)
そこで、六角形を彫るということを決定してデザインをまた考え始めました。

正六角形に囚われて


六角形にすることを決めた!
じゃあ、正六角形をキッチリ彫るぞ!!

・・・ダメでした。
正六角形を六分割。小さすぎます。

金属を彫るとその面は光を反射します。
六分割した小さなモノがそれぞれ異なる角度で光を反射します。
陰になって見えにくくなる部分、光を反射して目立つ部分。
その模様がいくつも連なるのです。
結果、もはや六角形と認識できなくなります。

2.5Dの良さを


それからも紆余曲折、色々と変更を加えまして完成しました。
正六角形からすこし外して、飾りの線彫りも長くして重ね・・・
と、書きだすとキリが無いのでやめますが、
一つ特筆するとすれば高低差ですね。
六花4

彫金は彫が浅いとほぼ2D(平面)です。
しかし、深く彫れば彫るほど3D(立体)に近づいていきます。

「六花」は3Dと2Dの間、いうなれば2.5Dと言えます。
一部はできるだけ平面を残し、一部は山型にカットし、一部はかなり彫りさげて・・・
深く彫るところと浅く彫るところ、高低差をつけて
六角形六分割の細かな模様がいきるようにしました。

深彫りの立体だけでは模様として成り立たず、
浅く彫った平面だけではきれいに見えない。
立体と平面の間、2.5Dの良さは何とか引き出せたのかなと思っております。
六花4
六花2

・・・と色々書いてみたものの、けっこうギリギリでした。

彫り方を確立した後は力を抜いてできるんですけどね。
模索している間に腕と背中が痛くなって指が腫れました。病弱な体がうらめしいぃ。

それでは。