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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

リングに幅の広くなっていく彫金を。 彫金アクセサリー教室

2018
24
こんにちは。

こちらは彫金アクセサリー教室です。

前回はとにかくリングに彫ってみましたね。
今回は、片切タガネで彫る幅を変える練習をしましょう。

中央に真っすぐに線を引く


まずは下書きです。
カニコンパスを持っている方は、片側をフチに引っ掛けてグルっと引けばOKです。
カニコンパスで線引

カニコンパスを持っていない方は以下のようにしてみてください。
先を針のようにとがらせたタガネ(ケガキ)を鉛筆持ちにする。
中指を伸ばして指輪のフチと接するようにする。
中指を支点にしつつスライドさせるように線を引く。
カニコンパスないパターンの線引き
片手で写真を撮ったのでブレてしまいましたが、
中指がリングに接しているのがわかると思います。

もちろん、他にやりやすい方法を見つけたらこだわらなくてもOKです。

中心から端に向かって幅を広くする


以前、平面でやった幅が広くなっていく彫りをリングでもやってみましょう。
中心線から端に向かってこのように広くしていきます。
リングに幅広くなる彫り (2)

片側に4回くらい彫ったら、一旦ストップしてください。
「くらい」なので、別にもうちょっと多く彫っても良いですし、少なくても良いです。
気分や体調次第です。

左右対称に彫ってみる


次に、もう片側にも同じように彫ってみましょう。
そう、できるだけ同じように・・・つまり、左右対称ですね。

先ほどは4回くらいでしたが、今回はその倍くらい彫っていきます。
リングに幅広くなる彫り (1)

当然オーバーするので、
それに合わせてまた逆側で彫っていきます。
これをずっと繰り返していきます。

時々あえて幅を広くしたり、狭くしたりしてみましょう。
調整能力が身につきます。

気を付ける点と失敗例


実際にやってみると分かりますが、
彫っているときは逆側の彫りが見えなくなります。
手とタガネの陰になってしまうのですね。
そのため、どのくらいの幅だったかしっかり覚えておきましょう。

次にちょっとした失敗の例です。

まず、曲がってしまうパターン。
リングは曲面なので油断するとタガネが流されることがあります。
また、真っすぐ彫ったつもりが斜めになってしまうこともあります。
リングに幅広くなる彫り 失敗例


左右で長さが違うパターン
下書きの線に合わせたつもりでも、
長すぎたり短すぎたりすることがあります。
リングに幅広くなる彫り 失敗例2
上の写真のように
真ん中に引いた下書きの線が太かったり2重線になっているとさらにミスしやすくなるので、
その際は特に気を付けましょう。


いかがだったでしょうか。
ぱっと見できそうでしょうか?

きっちりとした左右対称はちょっと難しいかもしれません。
あまり際限なくこだわりすぎるのも大変なので、
ひとまずは大体同じかなというところを目指してみてください。
写真のモノは一応失敗例も兼ねていますが、
これくらい彫れればひとまずはOKです。

また、慣れない動きをすると手が痛くなることがあります。
ちょっとでも痛みを覚えたらすぐに休憩をはさみましょう。

なんなら、5分やって5分休憩でも良いのです。
休憩の間に「どうやれば上手く彫れるだろう?」と考えていると、
ぶっ続けでやるよりもむしろ上手くなれるかもしれません。
私も新しい彫金をやるときは考えている時間の方が多かったりします。


彫金教室では様々な技術を紹介しております。
よろしければのぞいて行ってください。

それでは。