銅の共付け研究 後編
2018
30
こんにちは。
今回は、銅の共付け研究 後編です。
銅の共付け 前編を踏まえたうえで、具体的な方法に触れていきます。
多分他にも方法はありますが、私の行ったのは「別溶かし」です。
やり方は以下の通りです。
1.バーナーを机の上など安定したところに置き、点火します。
(バーナーがコケると非常に危ないので、気を付けてください。)
2.銅の欠片とリング本体を別々に持ちます。
↓ピンセットの二刀流(バーナーを置いておく位置は欠片を持つ左側になります。)

3.バーナーで先に銅の欠片を熱します。
4.銅の欠片が溶けて形が崩れ、球形に近くなったら本体を熱し始めます。
5.欠片が溶けて球形になり、
かつ本体のくっつけたい部分が白っぽい赤色になったら欠片を素早くくっつけます。
6.欠片と本体が一体化して共付けできているようなら成功です。
別で欠片を溶かして本体にくっつけるので、「別溶かし」です。
私が勝手に考えただけなので、
すでに他に名前があるかもしれません。
わざわざ別に溶かすのは、
本体の継ぎ目の温度をしっかり上げたいのと酸化被膜を作らせないようにするためです。
銅の欠片を溶かすのは耐熱ピンセットがオススメです。
普通のピンセットでもできますが、
欠片がピンセットにくっつきやすくなるなど若干難易度が上がります。
共付け後はこのようになります。
くっつけた部分がちょっとボコっとしています。

この程度でしたら、修正は容易です。
基本、凹んでいるよりも凸のほうが修正しやすいですね。

しかし、やはり一部分薄くなってしまっています。
(写真上部の方)

しっかりくっつきました。
出来上がりも圧着よりは別溶かしのほうが良かったです。
しかし、まだ完璧ではありません。
写真見て分かる方は分かるかもしれませんが、本体の方もちょっと溶けているんですよね。
なぜ本体の方がちょっと溶けたかと言えばタイミングです。
手順でいえば4と5番をもっとしっかり見極めれば、さらにきれいになったはずです。
要練習です。
4番(銅の欠片が溶けて形が崩れ、球形に近くなってきたら本体を熱し始めます。)
のタイミングはなかなかに難しいなと感じております。
欠片をあまり長い時間熱しすぎるのも、
ピンセットから離れづらくなったり酸化したりで良くない感じがします。
かといって本体を熱し始めるのが早ければ、本体が溶けてしまいます。
使用バーナーにもよりますが、本体が溶け始めるのは意外に早いです。
欠片の方に集中していると見逃しますし、
ピンセットを2つ持っている関係で視界も少し悪かったりします。
ですので、本体を火に投入するタイミングは
欠片の方が溶けてほぼ球形になったくらいが良いかなと現在は感じていますね。
5番のくっつけるのは、タイミングというより素早さです。
くっつける瞬間、ピンセットの陰に隠れて欠片に炎が当たりづらくなります。
この状態でもたつくと欠片の温度が下がり、失敗します。
くっつける位置が意外に見にくいので、こちらも難しかったですね。
この「別溶かし」は、もともと線をくっつけるために見つけた技です。
従来のやり方だとロウをのせるために線を削らないといけないのですが、
別溶かしならロウをのせる場所を作らなくてもOKです。
純銅でも、軟銅と硬銅があります。
金属は叩いたり延ばしたりすると硬くなります。
叩いたりする前の柔らかい銅が軟銅、叩いたりした後の硬くなった銅が硬銅です。
この軟銅と硬銅は同じ100%銅にもかかわらず、少し性質が異なります。
私の体感では、硬銅の方が溶けやすいように思います。
今回の銅の共付けでは欠片が早くしっかり溶けた方が良いので、硬銅を使用しました。
具体的には、溶けやすくなるようにローラーで薄く延ばしました。
この硬銅の薄板を軽く折り曲げてフラックスをつけたのが、今回使用した銅の欠片です。

今回やっていて感じたのは、
フラックスの性能が良くなればもっとやりやすくなるなということでした。
特に手順の5番は多少もたついても大丈夫になって難易度が下がりそうです。
使用感が好きじゃないとか言わずに、銅用フラックスなども試していこうかな・・・。
本当は銅の欠片が溶ける手順4番の写真を撮りたかったのですが、
さすがに危ないのでやめました。カメラも溶けそう。
みなさんも、失敗しても安全だけは確保していきましょう。
それでは。
今回は、銅の共付け研究 後編です。
銅の共付け 前編を踏まえたうえで、具体的な方法に触れていきます。
別溶かし
多分他にも方法はありますが、私の行ったのは「別溶かし」です。
やり方は以下の通りです。
1.バーナーを机の上など安定したところに置き、点火します。
(バーナーがコケると非常に危ないので、気を付けてください。)
2.銅の欠片とリング本体を別々に持ちます。
↓ピンセットの二刀流(バーナーを置いておく位置は欠片を持つ左側になります。)

3.バーナーで先に銅の欠片を熱します。
4.銅の欠片が溶けて形が崩れ、球形に近くなったら本体を熱し始めます。
5.欠片が溶けて球形になり、
かつ本体のくっつけたい部分が白っぽい赤色になったら欠片を素早くくっつけます。
6.欠片と本体が一体化して共付けできているようなら成功です。
別で欠片を溶かして本体にくっつけるので、「別溶かし」です。
私が勝手に考えただけなので、
すでに他に名前があるかもしれません。
わざわざ別に溶かすのは、
本体の継ぎ目の温度をしっかり上げたいのと酸化被膜を作らせないようにするためです。
銅の欠片を溶かすのは耐熱ピンセットがオススメです。
普通のピンセットでもできますが、
欠片がピンセットにくっつきやすくなるなど若干難易度が上がります。
成功の先
共付け後はこのようになります。
くっつけた部分がちょっとボコっとしています。

この程度でしたら、修正は容易です。
基本、凹んでいるよりも凸のほうが修正しやすいですね。

しかし、やはり一部分薄くなってしまっています。
(写真上部の方)

しっかりくっつきました。
出来上がりも圧着よりは別溶かしのほうが良かったです。
しかし、まだ完璧ではありません。
写真見て分かる方は分かるかもしれませんが、本体の方もちょっと溶けているんですよね。
なぜ本体の方がちょっと溶けたかと言えばタイミングです。
手順でいえば4と5番をもっとしっかり見極めれば、さらにきれいになったはずです。
要練習です。
難しいのはタイミング
4番(銅の欠片が溶けて形が崩れ、球形に近くなってきたら本体を熱し始めます。)
のタイミングはなかなかに難しいなと感じております。
欠片をあまり長い時間熱しすぎるのも、
ピンセットから離れづらくなったり酸化したりで良くない感じがします。
かといって本体を熱し始めるのが早ければ、本体が溶けてしまいます。
使用バーナーにもよりますが、本体が溶け始めるのは意外に早いです。
欠片の方に集中していると見逃しますし、
ピンセットを2つ持っている関係で視界も少し悪かったりします。
ですので、本体を火に投入するタイミングは
欠片の方が溶けてほぼ球形になったくらいが良いかなと現在は感じていますね。
5番のくっつけるのは、タイミングというより素早さです。
くっつける瞬間、ピンセットの陰に隠れて欠片に炎が当たりづらくなります。
この状態でもたつくと欠片の温度が下がり、失敗します。
くっつける位置が意外に見にくいので、こちらも難しかったですね。
線のロウ付けにも
この「別溶かし」は、もともと線をくっつけるために見つけた技です。
従来のやり方だとロウをのせるために線を削らないといけないのですが、
別溶かしならロウをのせる場所を作らなくてもOKです。
銅の欠片の作り方
純銅でも、軟銅と硬銅があります。
金属は叩いたり延ばしたりすると硬くなります。
叩いたりする前の柔らかい銅が軟銅、叩いたりした後の硬くなった銅が硬銅です。
この軟銅と硬銅は同じ100%銅にもかかわらず、少し性質が異なります。
私の体感では、硬銅の方が溶けやすいように思います。
今回の銅の共付けでは欠片が早くしっかり溶けた方が良いので、硬銅を使用しました。
具体的には、溶けやすくなるようにローラーで薄く延ばしました。
この硬銅の薄板を軽く折り曲げてフラックスをつけたのが、今回使用した銅の欠片です。

フラックス
今回やっていて感じたのは、
フラックスの性能が良くなればもっとやりやすくなるなということでした。
特に手順の5番は多少もたついても大丈夫になって難易度が下がりそうです。
使用感が好きじゃないとか言わずに、銅用フラックスなども試していこうかな・・・。
本当は銅の欠片が溶ける手順4番の写真を撮りたかったのですが、
さすがに危ないのでやめました。カメラも溶けそう。
みなさんも、失敗しても安全だけは確保していきましょう。
それでは。