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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

ロウを溶かす。 彫金アクセサリー教室

2017
07
こんにちは。

こちら彫金アクセサリー教室です。
内容をいろいろ追加してたら、思いのほか投稿に時間がかかってしまいました。

今回は、いよいよロウを溶かしていきます。

スキマなくぴったり。


ヤスリできれいにしたら、互い違いの状態からスライドさせると上手くかちあってくれます。
ロウ付け ロウを溶かす (3)
これは左右で互い違いにしていますが、上下でもOKです。

上から見て、横から見て、下から見てキッチリ合っているか確認してみましょう。
ロウ付け ロウを溶かす (4)
視力に自信のない場合は、ルーペなど使って確認してみるのも良いです。

ロウを切る。


まず、ロウ切りハサミでロウを切っていきましょう。
今回は真鍮を使うので、板状の9分銀ロウです。

大体、1mm角かそれよりちょっと大きいくらいで切っていけばOKです。
きっちり測ってやる必要はありません。
むしろ、適度にばらけていた方が状況に応じて使い分けできるので便利なくらいです。

なお、1㎜角というのは面積としての目安です。
正方形でなくても、長方形や三角形などでも使えます。
銀ロウ


実は銅ではなく真鍮を選んだのはこのロウのためです。
市販の銅ロウは棒状であり、相当に硬いのでロウ切りハサミでも切れません。
そして、棒状のままリングのロウ付けはかなりやりにくい。

その点、9分銀ロウはちょっと力は要りますが、好きな大きさに切れます。
またロウ付けした後、9分銀ロウは黄色を帯びるので、同じく黄色の真鍮にぴったりなのです。

フラックスをつけよう


フラックスをつけるまえに、ロウを置く面に軽くヤスリをかけておきましょう。
酸化被膜を削っておくことで、成功率が高くなります。

表面をかるくヤスリ掛けしたら、竹串にフラックスをつけて裏面からつけます。
その後、表面はゆっくり線を引く感じでつけていきます。
ロウ付け ロウを溶かす (2)
フラックスは多すぎると沸騰してロウがとんでしまうことがあります。
今回は表面に火をかけていきますので、始めに裏からつけてフラックス量を調節しているのです。

フラックスを付け終わったら、ロウを表面にのせてスタンバイOKです。
ロウ付け ロウを溶かす (1)

ロウを溶かす


いよいよトーチの炎で熱していきましょう。
プリンスガスバーナーなど、小型のバーナーやトーチを使うとやりやすいです。

ロウを溶かすときは、できるだけ炎の温度の高い場所を当てていきましょう。
炎は場所によってけっこう大きな温度差があるのです。

温度の低い順に
トーチの近くの内炎、炎の先っぽ(外側)の外炎、内炎と外炎の境界部分の還元炎、です。
そのため、熱したいからといってあまりトーチと近づけるとロウは溶けてくれません。

(↓例:ガスバーナーでタガネを焼きなましている写真)
焼きなまし
トーチ・バーナー 還元炎の場所
青色が内炎、赤色が還元炎、オレンジが外炎です。
目標は最も温度の高い還元炎です。
ですが、これは範囲が狭いので初めからピンポイントで狙うのは難しいでしょう。
おおまかに、明るいところで見た炎の真ん中よりちょっと先の方、くらいを目安に炎をあてていきましょう。

外炎は大きいのですが、色は薄いです。
明るいところでは見えない部分も多いので、見えるところの真ん中よりちょっと先なのですね。
なお、目を悪くするので暗いところで炎を見つめるのはできるだけやめましょう。

ロウ付けが成功するとこんな感じにロウ目が見えます。
ロウ付け ロウを溶かす (5)


ロウの溶ける方向


ロウの溶ける方向はフラックスと温度によります。
フラックスのある方へ
そして、温度の高い方に向かって溶けていくのです。
このことを念頭に入れると失敗しにくくなります。

例えば、右側ばかり熱し過ぎてロウがほとんど右側に流れしまう。
結果、狙ったところにはほとんど流れずにロウ付け失敗、なんていうパターンもあります。


強度を確認しよう。


くっつけたものの、すぐ取れてしまうのでは成功とは言えません。
最後に、しっかりくっついたかどうか強度を確認してみましょう。

まずは、手で強めに力を加えてみます。
それでもとれなかったら、ペンチなども使ってかなり強めに力を加えてみます。
ペンチでも取れなかったら、しっかりくっついていると言えるでしょう。



ロウ付け、いかがだったでしょうか?
初めは失敗もするかと思いますが、回数を重ねるほど着実に上手になります。

ここで紹介したのはあくまでも私のやり方なので、
人によっては別の方法・手順がしっくりくることもあると思います。
色々やり方を変えてしっくりくるのを探すのも、良い経験です。
かくいう私も、一年前とはやり方ちょっと変わってます。

火を扱うので、火傷には注意しましょう。
集中力がなくなってきたと思ったら、無理せず休憩をはさんでください。

それでは。