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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

バリを取る 彫金アクセサリー教室

2017
08
こんにちは。

こちらは彫金アクセサリー教室です。

今回は、前回宣言した通りバリ取りについてやっていきます。

バリより手前から


黒く塗りつぶしてあるところがバリです。
3本線の真ん中の点線が一番低い「谷」にあたる線ですね。
バリ取り1

バリを取るときは、赤線で囲ってあるところを切り取るようにします。
バリよりちょっと広めに切り取るときれいにできます。
バリ取り2

あくまでも、ちょっと広め、です。
ピンポイントでバリだけ取ろうとするとえぐり取るようになり、跡が汚くなってしまうことがあります。

また、深くなるとバリを取ったあとが目立ってしまうので、深さはできるだけ浅くが良いです。

つまり、バリ取りは広く浅く、ですね。

逆側の傷にご用心


バリを取る時このようにタガネを入れます。
バリ取り2

このとき注意しなければいけないのが、タガネの角が逆側の面に当たってしまうことです。
バリ取り3
ピンク色の部分ですね。
逆側に当たったキズは小さく、つけてしまったその時は発見できないことも多いです。

こういったタイプのキズは近くで見るとわかりにくいですが、
ちょっと遠くから全体を見た場合「なんとなく汚い」という印象を与えてしまいます。
それで、よくよくジっと見てみると傷がついていることがわかるのです。

このタイプの傷は発見するのもキレイに直すのも難しいので、バリ取りの際は気を付けましょう。

大きなバリは「谷を合わせる」


ちょっと削った程度では完全に取り切れない大きなバリ。
あるいは、先ほどのキズのように面が傷ついてしまった場合。
そんなときはもっと大きく切る必要があります。
バリ取り4
タガネでバリやキズのついている面ごと切ってしまうのです。
このやり方は、うまく行けば跡が分からないくらいにキレイに直せます。
ただし、一つ目のやり方より難易度は高いです。

難しいのが「谷」の点線部分です。
タガネの角をしっかり谷の部分に合わせないと、谷が二重になってしまい、
汚くなってしまいます。
バリ取り6
「谷が二重」とはこのように、
元からあった点線の「谷1」とバリ取りでできた新たな「谷2」の二つがある状態のことです。
特に谷1と谷2の間部分が汚くなりますので、谷が2重になったらもう一度彫るしかないですね。

谷が2重にならないように、タガネの角の位置をしっかり意識すること。
これを今回は「谷を合わせる」と表現しました。
私の彫金は独学なので、もしかしたらどこかでちゃんとした名前がついていたりするかもしれません。

彫金教室では様々な技術を紹介しております。
よろしければのぞいて行ってください。

それでは。