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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

唐草の「巻き」と金属の種類 彫金教室

2017
04
こんにちは。

こちらは彫金アクセサリー教室です。

前回は唐草を彫りました。
今回はその唐草の完成度を高めていこうというものです。

完成度という果てなき道


これから完成度を求めていきますが、なかなかに果てしない道です。
私は完璧という領域までたどりつける気がしません。
ここで書いてあることを実践してもその先はあります。

完成度となると一気に奥が深くなるものなのです。

巻きはゆっくりと進む


「巻き」を滑らかに彫るには、強く叩かないことが大切です。
強く叩くと、一回の打撃で進む距離が多い分、カーブがカクカクした感じになってしまいます。
解像度の粗いドット絵なんかを思い浮かべてみるとわかりやすいかもしれません。

こちらは滑らかな巻き
唐草2 巻きはゆっくりと進む

カクカクした巻き
karakusa 彫金教室

急なカーブたる巻きでは弱く素早く。叩く回数を稼いでいきましょう。
ちょっとじれったくなっても、ゆっくりと進むのです。

内巻きと外巻き


片切タガネの力点の置き方で、内巻きと外巻きの違いが出ます。
曲線彫りでも似たようなことを少し書きましたね。

前回の巻きは内巻きです。
唐草 内巻きの図

外巻きはこんな風になります。
唐草 外巻きの図

絵が下手くそですが、勘弁してください(笑)

タガネを傾けるのが内側か外側かの違いですね。
たったこれだけの違いでも、彫ったときの印象はかなり違ってきます。
写真では印象の違いが上手く表現できなかったので載せませんでしたが、彫っていただければわかるハズ。
また、外巻きはバリも出やすく、内巻きより難しいです。

ちなみに、内と外を合わせるとこうなります。
唐草2 内巻きと外巻き
このように巻きをメインにしたタイプの唐草模様を彫るなら、
ぜひ内と外の両方を彫れるようにしましょう。

金属の種類 タガネの種類


この巻きはバリがでやすい彫りでもあります。
また急なカーブがあるので、そこで滑らかに彫れるかどうかも問題です。

そのうえで問題になるのが、金属の種類とそれに対応するタガネです。
以前にも金属の種類に関しては触れましたが、ここでこそ重要になってきます。


まず、純銅などの柔らかい金属。
練習で使っている方も多いと思われます。
ただ、純銅はやわらかく、バリが出やすいです。
タガネの刃は角度大きめにするとバリがでにくくなります。

・・・とはいえ、小さな巻きの場合はカーブも急となり、
角度大きめのタガネでは彫りにくくなります。
バリは出にくいけど、彫りにくいでは本末転倒です。
つまり銅に小さな「巻き」を彫る場合は、その小ささによって微妙な調整が必要となってきます。
そのため、どうしてもバリが出てしまう場合は、バリを処理する方に力を入れた方が良いかもしれません。

つまり、銅で「巻き」を彫るタガネは角度は少し大きめで、
バリが出てしまったらその都度処理する。
というのが、私の解答ですね。


次は、真鍮などの硬い金属。
切れるタガネが使いやすいので、刃の角度は小さめにしましょう。
切れ味が鈍って滑る感じになるとバリが出やすくなります。
こまめに研ぎましょう。
経験で「切れてる感じ」と「切れずに滑っている感じ」の違いがわかるようになるので、
叩いた時の感触に気を付けて経験を積んでいきましょう。


最後に、硬くても柔らかくても、外巻きではバリがかなり出やすいです。

バリが出ないのが確かに最善ですが、バリを処理できるなら常に最善である必要はありません。
つまり、処理できるならバリがでてもOKです。

ということで、次回はバリの処理について書いてまいります。
それでは。