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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

ステンレス板からカミソリを作ってみた。

2017
13
こんにちは。

鉄やステンレスの加工が必要なこともあるので、今回は手始めにカミソリを作ってみました。

使う材料は板一枚


使う材料はこちらの板、ただ一枚です。
カミソリステンレス (2)
厚さ0.5㎜、価格200円弱のただのステンレス版です。

本当は鉄でやるとよいのですが、
鉄だと赤熱した状態で曲げなければいけません。
現在その作業を安全に行える設備がないんですよね。
そのため、ナマすだけで曲げ加工ができそうなステンレスの薄板です。

ステンレスを折りたたむ


持ちて部分を作るために、ステンレス板をひたすら折り曲げます。
カミソリステンレス (3)
ナマしては折り、ナマしては折り・・・を繰り返します。
特別な道具は必要なく、バーナー、ヤットコ、ハンマーを使えば折りたためます。

5.6回折りたたんで、余分な部分を切り落としたのがこちら。
カミソリ作り
う~ん、彫金師にあるまじきヤボったい見た目(笑)
でも、実用性があればよいのです。

刃をつける。


次に刃を付けました。
グラインダーで大まかに削った後、焼き入れしてもう一度グラインダーへ。
さらに、砥石で滑らかにしました。
カミソリステンレス2
もともと0.5㎜で薄い板なのですが、鋭利にしてさらに薄くなりましたね。

使用感と切れ味


紙はスパっと切れました。
カミソリ切れ味
カッターよりもキレイに切れました。
ちょっと力を入れるとカッターマットにも深い傷がつきます。

この後ちょっと角度を調整することで、カミソリとしても使えました。
・・・が、剃るにはもうちょっと切れ味が欲しいかなという感じです。
石鹸すら使わずにそのまま肌に当てて髭剃りできたので一応は及第点ですが、
もうちょっと鋭くしたい所。
あるいは、材料が鉄ならきっとスパっと切れたことでしょう。
刃の部分に超硬カーバイドでもくっつければなお良いですが、果たしてカミソリにそこまでする必要があるのかどうか・・・。


ということで、ペーパーナイフとしては素晴らしく、
カミソリとしてはギリギリ及第点でした。

ステンレスを何度も曲げたことはなかったので、経験がもっとも大きな収穫ですかね。
なお、もうちょっと板が厚くなるとナマすだけでは曲げることすら難しくなりそうです。
やはり、鉄や鉄の合金を加工するなら赤熱した状態じゃないと大変ですね。

それでは。