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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

メノウで作ってみた磨製石器

2017
23
こんにちは。

無風の日にたまたまメノウの欠片が目に留まったので、磨製石器を作ってみることにしました。
できれば実用に耐えるものができないかなぁ~なんて期待をふくらませて。

ところで、「磨製石器」という文字にやたらと懐かしさを感じるなぁ~と思ったら、
この字ヅラを見たのが恐らく高校生の時分以来だと気づきました。
磨製石器というのは磨いてツヤツヤにした石器という意味ですね。

割れて色の落ちたメノウを


ブログに書く段階になってキレイなメノウを使えばよかったかなと後悔しております。
追加写真 (2)
でもこの大きさ、柄を付けないなら使いやすいのです。

ちなみに、市販されているスライスメノウはほぼ100%染色されています。
なので、日光や経年で色が落ちます。
もし色落ちを防ぎたいなら、保管場所に気を付けましょう。

グラインダーで削る日


最初に「無風の日」と書きましたが、これはグラインダーを使用するためですね。
かなり削るので、風がこちらに向くと粉塵が半端じゃないです。肺がやられます。
みなさんもグラインダーで磨製石器を作る際は、無風の日にしましょう。

そして、メノウの欠片をガリガリ削った後がこちら。
ギザギザしております。
追加写真 (4)
なんだかんだ30分くらいかかりました。
コレ、ヤスリやサンドペーパーで削ろうものなら、気の遠くなる時間がかかるでしょうね・・・。
youtubeでいくつかサンドペーパーを使ってメノウの刃物を作る動画がありましたが、尊敬するなぁ。
私なら、多分途中で諦めます。

研いで滑らかに。


刃がギザギザなので、研いで滑らかにしました。
追加写真2 (2)
ところどころ細かい欠けがありますね。
包丁ならOUTですが、まぁここではOKとしておきましょう。

ペーパーナイフとしても・・・


それでは実際に使ってみましょう!
追加写真2 (1)
はい。ちょっと厚めの紙ですが、切れませんでした(笑)

もうちょっと頑張ればペーパーナイフとして使えるようには・・・なるのかなぁ?
という感じですね。

硬いけどモロいという性質を活かしてカミソリにでもなればと思ったのですが、
それは無理そうです。
金属と比べて欠けやすいので、一定以上薄く、鋭くすると剥離していきます。
つまり、ものすごく鋭くすることが難しいのです。

鋭い刃物にするには、素材のネバリ、欠けにくさ、じん性といった方面も大切になってくるんですね。
今までは、硬ければ鋭くなるだろうと思っていました。

実用に耐えるものは作れませんでしたが、一つ勉強にはなりました。

それでは。