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手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

シカが幹をペロペロして木が枯れる話。

2017
04
こんにちは。

青森県のニホンジカ全頭駆除が話題になっています。
シカ食害

<青森県>ニホンジカ「全頭駆除」へ全力(河北新報)


『シカ、かわいそう。』なんて意見が聞こえてきそうです。
わかります。
つぶらな瞳とか、人を目にしただけで山の斜面をピョンピョン逃げるところとか。
かわいくて、臆病で、ときどき凛々しい。
「全頭駆除するなんて!」という方がでてきてもおかしくはないというものです。

しかし、私たちはそういった感情を横に置いて
駆除せねばならない理由があるのです。

シカの食害とは?


野菜食べちゃうのはご存知かと思いますが、実は林業への被害も大きいのです。
森林被害の8割がたはシカというデータもあります。
これも何とかしないといけないことの一つですね。

ところで、林業に被害?とクエスチョンマークが浮かんだ方もおられるでしょう。
もちろん、シカがチェンソーもって伐採するわけではありません。
チェンソーではなく舌です。シカが幹をペロペロして木が枯れます。

樹木の急所。


私たち人間にも急所と呼ばれる場所はいくつかありますが、樹木にもあります。
それは樹皮のすぐ下です。
ペリっと皮を剥がして白い木が出てきたところですね。
樹皮くらいシカでも簡単にペリっと剥がせてしまいます。

この樹皮のすぐ下に栄養の通る管が集まっています。
この栄養の通るところをシカがペロペロしてしまうわけですね。

一部分だけならまだしも、グルっと一周樹皮がはがされてペロペロされると木がやられます。
一周グルッとということは、根から吸収した栄養が上に行けず、
葉っぱで光合成した栄養が下に行けなくなるわけですからね。

ペロペロ恐ろしい、ペロペロ

シキミとアセビばかりが生き残る


シカは下草や若木、低木の葉っぱなどいろいろなものを食べていきます。
その結果どうなるか。
毒性のある樹木であるシキミとアセビばっかり残るのです。

つまり生態系とか多様性なんかに大きな悪影響をもたらしてしまいます。

増えすぎれば餓死。


下草も葉っぱ食べて木の幹もペロペロしてシカが増えすぎると、餌が足りなくなります。
すると、結局は餓死することに。
人間が駆除しなくても、増えすぎればその分だけ死んでしまいます。
もちろん、多大な森林被害をだした後で・・・。

それだったら、被害を抑えるために駆除するのは致し方ないという結論になります。
それに、全頭駆除するといったって本当に根こそぎ狩りつくせるというわけでもないでしょうし。

かわいそう、というのは簡単ですが、
人間が生きていくためにはそうも言っていられないこともあるのです。
涙をのんで、おいしくシカを食べていきましょう。

それでは。