緋色銅、その色づけと変化
2016
04
こんにちは。
銅は特定の処理を行うとさまざまに色を変えてくれます。
非常に変化に富んだ奥深い金属です。
あるいは、20面相ともいいましょうか、お化粧をするとでもいいましょうか。
銅の色の変化で有名なのは緑青(ろくしょう)です。
そういえば、昔は緑青に毒性がある~なんて教えられていましたが、間違いです。
特別に強い毒性はありません。
と、話がそれましたが緋色銅もそういった色の変化を利用したものです。
色付けの仕方は、ちょっと特殊ですが・・・ね。

緋色銅の作り方は単純です。
バーナーで真っ赤になるまで熱した銅をホウ砂の水溶液につける。
ホウ砂はアマゾンでも売っています。スライム作るので有名ですね。
これだけです。アッツアツの銅がジュっといえば緋色銅の完成です。
ピンセットで銅を持つと温度差ができて色むらになるので、網目大きめの豆腐すくうような金網がオススメです。
単純でしょ?
本当は写真もあげたかったのですが、ちょっと危ないので撮れませんでした。無念。
色をただつけるなら簡単です。
ただし、色がこれだけ違います。

この2つは銅が溶けてからすぐにホウ砂水溶液の中に入れました。
つまり、熱した銅の温度はほぼ同じです。
それでは、何がこの色の差を生んだのでしょうか?
色の薄い銅は短時間で一気に熱して水溶液へドボン
色の濃い銅は時間をかけて熱して水溶液へドボンしました。
酸化炎に当てたのでは?と考えた方、ちょっと鋭いです。
しかし、時間をかけて熱したといってもことさらに酸化炎に当てたわけではありません。
そもそも、還元炎に当てようとも完全に全体が酸化しないというわけではないのです。
さらに、あんまり酸化炎ばかりに当てようとすると色のムラがひどくなります。
とはいえ、大きめの炎で還元炎でしっかり覆えばかなり酸化しにくくなるのは確かであり、必ずしも間違ってはいません。
あれ?この話、思いのほか長くなりそう・・・。
火の温度もあるしなぁ・・・。
・・
・・・
・・・・・炎の話はいったん置いといて。(笑)
時間の長い短いは、すなわち銅が酸化する時間を表します。
熱する時間が長いほど銅は酸化します。
つまり、色の差とは酸化の度合いの差、ということが言えます。
酸化した状態でドボンするほど、色が濃くなるのです。
先の話から、ちょうどよい色にするには熱する時間を調整すればいい、となります。
それでうまくいけばヨシ。
しかし、無理に酸化炎を当てたり炎をそらしたりすると色ムラが出ます。
色ムラとは、場所によって色が濃くなったり薄くなったりすることですね。
そこで、普通にやって色が薄くなった場合はドボンする前に空中で一呼吸置きます。
火を離して、一呼吸。
この間に銅が酸化して色が濃くなるのです。
場合によって半呼吸だったりもしますので、人によってマの取り方は変えるとよいでしょう。
一秒でも、まばたきする間でも何でもいいのでやりやすいのを見つけてみましょう。

↑タイミングはシビアだが、あずき色より薄い朱色のような色もだせる。マが大切です。
時間をかければかけるほど、色が濃くなります。
そして、大きいものは真っ赤になるまで時間がかかります。
さらに、炎が届かないところはもっとはやく酸化が進み、色むらができやすくなります。
つまり、大きいものほど火力(火の温度というより火の大きさ)がモノを言います。
ガスバーナーだと500円玉くらいの面積くらいが無理なくできる範囲かな、という感じです。
緋色銅にしてみると、思いもよらない風合いがでたりします。
例えば、荒めの研磨(400番)とピッカピカにした場合、それぞれ違った感じになります。
普通は400番の研磨でとめることはないのですが、緋色銅の場合好みによってはアリです。

↑左が400番、右がピッカピカの鏡面。・・・写真だと違いがわかりにくい。
ただ、ピッカピカの鏡面にするときは、研磨ムラが色ムラにつながります。
色づけする前はわからなかった研磨ムラが色ムラになってコンニチハ、ということもありえます。
そのため、緋色銅ではいつもより丁寧に仕上げることを心がけた方がいいです。
ちょっと長文になってしまいました。
ホウ砂の濃度とか、細かいことまでつっこむとムダに長くなってしまいそうなので、今日はここくらいで・・・。
それでは。
銅は特定の処理を行うとさまざまに色を変えてくれます。
非常に変化に富んだ奥深い金属です。
あるいは、20面相ともいいましょうか、お化粧をするとでもいいましょうか。
銅の色の変化で有名なのは緑青(ろくしょう)です。
そういえば、昔は緑青に毒性がある~なんて教えられていましたが、間違いです。
特別に強い毒性はありません。
と、話がそれましたが緋色銅もそういった色の変化を利用したものです。
色付けの仕方は、ちょっと特殊ですが・・・ね。

緋色銅、その作り方
緋色銅の作り方は単純です。
バーナーで真っ赤になるまで熱した銅をホウ砂の水溶液につける。
ホウ砂はアマゾンでも売っています。スライム作るので有名ですね。
これだけです。アッツアツの銅がジュっといえば緋色銅の完成です。
ピンセットで銅を持つと温度差ができて色むらになるので、網目大きめの豆腐すくうような金網がオススメです。
単純でしょ?
本当は写真もあげたかったのですが、ちょっと危ないので撮れませんでした。無念。
単純だが簡単とは言っていない。
色をただつけるなら簡単です。
ただし、色がこれだけ違います。

この2つは銅が溶けてからすぐにホウ砂水溶液の中に入れました。
つまり、熱した銅の温度はほぼ同じです。
それでは、何がこの色の差を生んだのでしょうか?
色と時間
色の薄い銅は短時間で一気に熱して水溶液へドボン
色の濃い銅は時間をかけて熱して水溶液へドボンしました。
酸化炎に当てたのでは?と考えた方、ちょっと鋭いです。
しかし、時間をかけて熱したといってもことさらに酸化炎に当てたわけではありません。
そもそも、還元炎に当てようとも完全に全体が酸化しないというわけではないのです。
さらに、あんまり酸化炎ばかりに当てようとすると色のムラがひどくなります。
とはいえ、大きめの炎で還元炎でしっかり覆えばかなり酸化しにくくなるのは確かであり、必ずしも間違ってはいません。
あれ?この話、思いのほか長くなりそう・・・。
火の温度もあるしなぁ・・・。
・・
・・・
・・・・・炎の話はいったん置いといて。(笑)
時間の長い短いは、すなわち銅が酸化する時間を表します。
熱する時間が長いほど銅は酸化します。
つまり、色の差とは酸化の度合いの差、ということが言えます。
酸化した状態でドボンするほど、色が濃くなるのです。
一呼吸の間
先の話から、ちょうどよい色にするには熱する時間を調整すればいい、となります。
それでうまくいけばヨシ。
しかし、無理に酸化炎を当てたり炎をそらしたりすると色ムラが出ます。
色ムラとは、場所によって色が濃くなったり薄くなったりすることですね。
そこで、普通にやって色が薄くなった場合はドボンする前に空中で一呼吸置きます。
火を離して、一呼吸。
この間に銅が酸化して色が濃くなるのです。
場合によって半呼吸だったりもしますので、人によってマの取り方は変えるとよいでしょう。
一秒でも、まばたきする間でも何でもいいのでやりやすいのを見つけてみましょう。

↑タイミングはシビアだが、あずき色より薄い朱色のような色もだせる。マが大切です。
大きいものは火力がモノをいう
時間をかければかけるほど、色が濃くなります。
そして、大きいものは真っ赤になるまで時間がかかります。
さらに、炎が届かないところはもっとはやく酸化が進み、色むらができやすくなります。
つまり、大きいものほど火力(火の温度というより火の大きさ)がモノを言います。
ガスバーナーだと500円玉くらいの面積くらいが無理なくできる範囲かな、という感じです。
研磨と色ムラ
緋色銅にしてみると、思いもよらない風合いがでたりします。
例えば、荒めの研磨(400番)とピッカピカにした場合、それぞれ違った感じになります。
普通は400番の研磨でとめることはないのですが、緋色銅の場合好みによってはアリです。

↑左が400番、右がピッカピカの鏡面。・・・写真だと違いがわかりにくい。
ただ、ピッカピカの鏡面にするときは、研磨ムラが色ムラにつながります。
色づけする前はわからなかった研磨ムラが色ムラになってコンニチハ、ということもありえます。
そのため、緋色銅ではいつもより丁寧に仕上げることを心がけた方がいいです。
ちょっと長文になってしまいました。
ホウ砂の濃度とか、細かいことまでつっこむとムダに長くなってしまいそうなので、今日はここくらいで・・・。
それでは。