彫金での浮き彫り、その難しさ。(思考整理)
2016
19
こんにちは。
彫刻なんかで背景を彫りさげる「浮き彫り」
学校の美術の授業で彫刻刀つかってやったなぁ~という思い出がある方もいるのではないでしょうか。
浮き彫りはたくさん彫るので、誰かしら一人くらいケガしちゃうんですよね、アレ。
今回はそんな浮き彫りを彫金でやってみた場合についてです。
ちなみに私の考えを整理するのも兼ねているので、ちょっぴり長文になっています。
彫金でも浮き彫りっぽいことはよくします。
ただこれがけっこうムズカしいのです。技術面はもちろん、デザイン面でも。
浮き彫りっていうのは、背景を彫るんですよね。
そうすると、彫っていない部分が浮き上がって見えて、イイ感じに見栄えがします。
つまり、彫った部分が脇役で彫っていない部分が主役なんです。
しかし、彫金ではなかなかそこが上手くいきません。
タガネで彫ったところは特有の光り方をするため、否応なく目立つためです。
ドラマでいえば、主役の前を横切りまくる脇役になります。アウトです。
彫れば彫るほど目立つ。
これが彫金のデザイン面でのムズカしさです。
技術面はデザイン面よりもさらにハードかもしれません。
まず、タガネで彫ると右か左の片側がどうしても深くなります。
そして浮き彫りで彫る部分は、基本てきに平面になっています。
すると平面にするために何度も何度も彫る必要がでてきます。
何度も何度も彫っても、どうしても片側がわずかに深くなるので線や段差は目に見える形で残ります。
むしろ彫った分だけ、彫った跡ができてしまいます。
その線や段差が模様のようキレイならば、背景としてOKでしょう。
しかし、タガネを入れられる角度や場所は完全に自由ではなく、下手をすればバリも出てきます。
つまり、浮き彫りで広い平面を彫ると汚くなりやすいのです。
これが技術面の難しさです。
それでも、浮き彫りはきっちりキメればやっぱり美しいです。
そんな美しい浮き彫りを彫る方法は、私が考えただけでも2つあります。
1つ目、狭く深く
リングなどではよく見られる方法です。
広い平面を彫るのが難しいなら、狭ければいい。
つまり、模様をギッシリと詰め込んで背景部分を狭くします。
これもこれで難しさはあります。
それは浅く彫ると浮き彫りの「浮き上がった感じ」が出ないことです。
浅いと彫っていない部分と彫った部分の境界があいまいで、のっぺりとした印象になります。
ちゃんとした浮き彫りにするためには、グッと深く彫って陰影をつけてあげましょう。
2つ目、広い背景の模様化
どれだけ深く彫ろうと、彫る面積が広いとあまり陰影はつきません。
背景部分が広くなればなるほど、彫った部分がキラっと光を反射してしまうためです。
ところで話はとびますが、みなさんキャラクターのシール集めしたことありますか?
私も子供のころ集めたものですが、レアなシールは背景がキラキラしています。
逆に言えば、キラキラしていても背景として成立しています。
そう、背景がキラキラしてても実はOKなんです。
正確に言えば、デザイン面で解決できるということです。
ただ、キラキラしててもOKなデザインを考えるだけではまだ不十分です。
先にも書いた通り、タガネを入れる場所や角度なんかは完全に自由というわけではないからです。
どのような手順で彫ってどのような彫り跡になるのかも考える必要があるのです。
つまり
背景がキラキラしててもOK
かつ
タガネが無理なく入れられる
という2つの条件を満たしたデザインを考えなければならないということです。
ちょっとしたパズルてき難しさがあるといえるでしょう。
彫金での浮き彫り、その難しさ、伝わってたらうれしいです。
それでは。
彫刻なんかで背景を彫りさげる「浮き彫り」
学校の美術の授業で彫刻刀つかってやったなぁ~という思い出がある方もいるのではないでしょうか。
浮き彫りはたくさん彫るので、誰かしら一人くらいケガしちゃうんですよね、アレ。
今回はそんな浮き彫りを彫金でやってみた場合についてです。
ちなみに私の考えを整理するのも兼ねているので、ちょっぴり長文になっています。
彫金での浮彫、その難しさ
彫金でも浮き彫りっぽいことはよくします。
ただこれがけっこうムズカしいのです。技術面はもちろん、デザイン面でも。
デザイン面でのムズカしさ
浮き彫りっていうのは、背景を彫るんですよね。
そうすると、彫っていない部分が浮き上がって見えて、イイ感じに見栄えがします。
つまり、彫った部分が脇役で彫っていない部分が主役なんです。
しかし、彫金ではなかなかそこが上手くいきません。
タガネで彫ったところは特有の光り方をするため、否応なく目立つためです。
ドラマでいえば、主役の前を横切りまくる脇役になります。アウトです。
彫れば彫るほど目立つ。
これが彫金のデザイン面でのムズカしさです。
技術面でのムズカしさ
技術面はデザイン面よりもさらにハードかもしれません。
まず、タガネで彫ると右か左の片側がどうしても深くなります。
そして浮き彫りで彫る部分は、基本てきに平面になっています。
すると平面にするために何度も何度も彫る必要がでてきます。
何度も何度も彫っても、どうしても片側がわずかに深くなるので線や段差は目に見える形で残ります。
むしろ彫った分だけ、彫った跡ができてしまいます。
その線や段差が模様のようキレイならば、背景としてOKでしょう。
しかし、タガネを入れられる角度や場所は完全に自由ではなく、下手をすればバリも出てきます。
つまり、浮き彫りで広い平面を彫ると汚くなりやすいのです。
これが技術面の難しさです。
浮き彫りの可能性と2つの道
それでも、浮き彫りはきっちりキメればやっぱり美しいです。
そんな美しい浮き彫りを彫る方法は、私が考えただけでも2つあります。
1つ目、狭く深く
リングなどではよく見られる方法です。
広い平面を彫るのが難しいなら、狭ければいい。
つまり、模様をギッシリと詰め込んで背景部分を狭くします。
これもこれで難しさはあります。
それは浅く彫ると浮き彫りの「浮き上がった感じ」が出ないことです。
浅いと彫っていない部分と彫った部分の境界があいまいで、のっぺりとした印象になります。
ちゃんとした浮き彫りにするためには、グッと深く彫って陰影をつけてあげましょう。
2つ目、広い背景の模様化
どれだけ深く彫ろうと、彫る面積が広いとあまり陰影はつきません。
背景部分が広くなればなるほど、彫った部分がキラっと光を反射してしまうためです。
ところで話はとびますが、みなさんキャラクターのシール集めしたことありますか?
私も子供のころ集めたものですが、レアなシールは背景がキラキラしています。
逆に言えば、キラキラしていても背景として成立しています。
そう、背景がキラキラしてても実はOKなんです。
正確に言えば、デザイン面で解決できるということです。
ただ、キラキラしててもOKなデザインを考えるだけではまだ不十分です。
先にも書いた通り、タガネを入れる場所や角度なんかは完全に自由というわけではないからです。
どのような手順で彫ってどのような彫り跡になるのかも考える必要があるのです。
つまり
背景がキラキラしててもOK
かつ
タガネが無理なく入れられる
という2つの条件を満たしたデザインを考えなければならないということです。
ちょっとしたパズルてき難しさがあるといえるでしょう。
彫金での浮き彫り、その難しさ、伝わってたらうれしいです。
それでは。