銀線を食い切る工具エンマ
2016
21
こんにちは。
前回、銀線を作る工程の一つ「線引き」についてお話ししました。
ああやって書くと簡単そうですが、実はそれなりに苦労話もあるわけでして・・・。
エンマの銀線を挟むところはご覧の通りギザギザしています。

このギザギザが金属に食い込んで、ガッチリとつかんでくれるのですが・・・。
食い込みが行き過ぎると、銀線がプッツンと切れます。
他にも、銀線を引いている最中にぶれたり揺れたりして切れます。
まず、なぜ切れるのか考えてみると
1.エンマが銀線に食い込みすぎる。
2.エンマが揺れたりぶれたりすることで負荷がかかる。
かつて私は、この2つではないかと考えたのですよね。
その2つを解決すべく、プチプロジェクトXを始めたのです。
食い込みすぎるのはクランプの締めつけが強すぎるのが一つでした。

ちなみに、クランプとはエンマにくっついている黒いヤツです。
しかし、食い込みが弱すぎると今度はエンマが銀線を離してしまします。
そこで、もっとも銀線に負荷のかかるところのギザギザを削りました。

わずかな違いに見えますが、相手は直径1mm以下の銀線です。
こんなちょっとしたことで変わります。
緩んだヒモをピンと張らせると、ちょっとぶれますよね。
そういったブレたり揺れたり単純に重力で引っ張られたりというのが銀線に負荷としてかかります。
さらに金属を線にするためにかける力というのは、かなりのものです。
ウインチという道具を使わなければ、私ではとても線にできないでしょう。
それら様々な負荷が大きくかかってしまう一点があります。

この赤矢印で示した挟まれている部分といない部分の境界です。
銀線の最も負荷のかかるところのギザギザを削ることでマシになったとはいえ、線は容赦なく切れます。
そこで私はエンマをこのように手に乗せてブレなどを防ぐことにしました。

ちなみに、市販の線引機だとレールになっていますね。
実は、私も最初は線引機にレールを着けようかと思っていました。
理由は、手で持つのがちょっと怖かったからです。
銀線を引くとき、エンマにはすごい力が加わっています。
もしかしたら指が持っていかれるかもな、という恐怖があったのです。
しかし、やってみれば大したことありませんでした。
指を引っ掛けると危ないですが、支えるように軽く持てばほぼ危険はありません。
他にもポイントはモロモロありますが、あんまりたくさん書いても飽きられそうなのでここまでです。
このまま語り続けるとそのうち線引機の作り方まで始まって、超長文記事になりますからね(笑)
彫金の中でもとてもマイナーな話でしたが、いかがだったでしょうか。
それでは。
前回、銀線を作る工程の一つ「線引き」についてお話ししました。
ああやって書くと簡単そうですが、実はそれなりに苦労話もあるわけでして・・・。
銀線を食い切るエンマ
エンマの銀線を挟むところはご覧の通りギザギザしています。

このギザギザが金属に食い込んで、ガッチリとつかんでくれるのですが・・・。
食い込みが行き過ぎると、銀線がプッツンと切れます。
他にも、銀線を引いている最中にぶれたり揺れたりして切れます。
そして始まるプチプロジェクトX
まず、なぜ切れるのか考えてみると
1.エンマが銀線に食い込みすぎる。
2.エンマが揺れたりぶれたりすることで負荷がかかる。
かつて私は、この2つではないかと考えたのですよね。
その2つを解決すべく、プチプロジェクトXを始めたのです。
1.食い込みすぎる
食い込みすぎるのはクランプの締めつけが強すぎるのが一つでした。

ちなみに、クランプとはエンマにくっついている黒いヤツです。
しかし、食い込みが弱すぎると今度はエンマが銀線を離してしまします。
そこで、もっとも銀線に負荷のかかるところのギザギザを削りました。

わずかな違いに見えますが、相手は直径1mm以下の銀線です。
こんなちょっとしたことで変わります。
2.エンマが揺れたりぶれたりすることで負荷がかかる。
緩んだヒモをピンと張らせると、ちょっとぶれますよね。
そういったブレたり揺れたり単純に重力で引っ張られたりというのが銀線に負荷としてかかります。
さらに金属を線にするためにかける力というのは、かなりのものです。
ウインチという道具を使わなければ、私ではとても線にできないでしょう。
それら様々な負荷が大きくかかってしまう一点があります。

この赤矢印で示した挟まれている部分といない部分の境界です。
銀線の最も負荷のかかるところのギザギザを削ることでマシになったとはいえ、線は容赦なく切れます。
そこで私はエンマをこのように手に乗せてブレなどを防ぐことにしました。

ちなみに、市販の線引機だとレールになっていますね。
実は、私も最初は線引機にレールを着けようかと思っていました。
理由は、手で持つのがちょっと怖かったからです。
銀線を引くとき、エンマにはすごい力が加わっています。
もしかしたら指が持っていかれるかもな、という恐怖があったのです。
しかし、やってみれば大したことありませんでした。
指を引っ掛けると危ないですが、支えるように軽く持てばほぼ危険はありません。
他にもポイントはモロモロありますが、あんまりたくさん書いても飽きられそうなのでここまでです。
このまま語り続けるとそのうち線引機の作り方まで始まって、超長文記事になりますからね(笑)
彫金の中でもとてもマイナーな話でしたが、いかがだったでしょうか。
それでは。