Engrave with!!
手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

せっかくだから,本に載っていないことを書きたい。~タガネの作り方~

2015
18
こんにちは。

今回は,タガネの作り方をちょっとやっていこうかな,と思っています。
ただ,本に載っていることをやってもな~,というのがありまして。

だって,本に載ってるんだもん!!!
本を見ちゃえば,良いじゃない!!!!

↓いい大人が「だもん」とかないよね~~,と言わんばかり・・・確かに!
肩をすくめる



ということで,正確には本に載っていないことだけをやってまいります。

その1
まず初めに作るのは,角度浅めの片切りタガネが良い!!

本には,タガネはこういう角度でつくるんだよ~~みたいなことは載っています。
しかし,初めの内は,角度なんて多少あやふやでOKです。
特に,一番最初なんて,まずは彫れれば良いのです。
なかなかちゃんと彫れないは,手は痛くなるはで,最初はそこまでこだわることに意味はありません。
なんとなく,浅め(鋭角)を心がけてもらえればOK。


なぜ,角度浅め(鋭角)なのか?
基本的に,角度が浅いほど彫りやすいためです。
↓浅めを行こう・・・
浅瀬



それでは,とにかく浅くすればいいのかといえば,そうではなくて
浅すぎると「バリ」といって,
彫った時に出る金属クズが離れずに,板にくっついたままになってしまいます。

そのため,「浅め」を心がけてみましょ~ということですね。

逆に,角度が深い(鈍角)ほど,バリは出にくいです。



その2
彫る金属によって,タガネを変えよう!

これはさっきのバリの話に通じます。
柔らかい金属は,刃は進みやすいがバリも出やすい。
固い金属は,刃は進みにくいがバリは出にくい。
という傾向があります。

すなわち,
柔らかい純銅などは鈍角のタガネ
固い真鍮などは鋭角のタガネ
で彫ると良い,ということです。

↓バリといってもバリ島とは違いますよ♪
バリ島



その3
練習では,銅だけでなく真鍮も彫るべき

ちょっと話は外れますけども・・
銅と真鍮では,感覚や手の角度などがちょっと変わります。
当然です。
金属もタガネも変われば,他の所も変わってきます。

銅だけ彫っていると,銅の彫り方がベースになっていきます。
すなわち,気付かないうちに
タガネをドンドン鈍角にして,できるだけバリのでない彫り方を身につけていきます。

そこで,真鍮も彫っていく必要性が出てきます。
簡単に言えば,色々な彫り方を身につけよう♪ということですね。



最後に補足です
金属で最も彫りやすいのは,シルバー950です。
純銀や金は柔らかくてバリがでやすく,
チタンやピンクシルバーなどは固くて彫りにくいです。
合金になればなるほど,固くなる傾向があります。


以上,長々と付き合っていただき,ありがとうございました。