くじけないで!彫れなかった場合の7つのケーススタディ 彫金アクセサリー教室2-6
2016
17
こんにちは。
こちらは彫金アクセサリー教室です。
前回彫る方法をザっと紹介しましたが、上手くいきましたでしょうか?
まったく彫れなかった、彫れたけどきれいじゃない、なんか手が疲れた・・・などなど出てくる問題はたくさんあります。
ちなみに、最初からきっちり上手く彫れた!という方は自信をもってこの記事をスルーしていただいてもOKです。
独学なら、失敗した理由を一通り考えて虱(しらみ)潰しに改善していきます。
たいていの場合理由はいくつか思い浮かぶため、どれを改善すればいいかというのは「当たり」を引くまでわかりません。
どれが当たりかはわかりませんが、私は例え当たりを引いても一通り思いついたものは改善してみます。
良い経験になるというのもありますが、ちょっとしたことで結果が変わるのはなかなか面白いですよ。
すべてはケーススタディなのです。
失敗という事例にたいして、片っ端から原因を探っていきましょう。
というわけで、まっすぐ彫れなかった場合のケーススタディいっきまっすよ~。
まったく彫れなかった場合は、タガネに問題がある可能性が高いです。
タガネはいくつかの工程を経て作っていますが、その中でも最初の成形段階がしっかりできていないとほとんど彫れなくなります。
刃先がしっかり鋭利になっているかよく見てみてください。
↓左のタガネは鋭利になっていない。

ちゃんと鋭利になっているかどうかを見分けるのって慣れないと難しい・・・かもしれません。
私はよく刃先を直接触って切れそうかどうか確かめます。
包丁だとちょっと危ないですが、タガネなら大丈夫です。

他の可能性としては、角度があまりにも大きすぎる可能性もありますね。
角度の大き過ぎるタガネは非常に彫りにくいので、最初にタガネを作るときは角度浅めをオススメしておきました。
ここでいうバリとは、彫ったときに金属屑がくっついてしまう状態のことを言います。
みんな憧れの南国の島ではありません。そういえば、インドネシアにも彫金ってあるんでしょうか?
↓彫った横に金属がくっついたままになっている、それがバリ

これはタガネの角度が浅すぎるか、彫る角度が大きすぎるか、ですね。
タガネの角度が浅すぎるのはしょうがないとして、彫る角度ならすぐに直せます。
このように、タガネの彫る角度を変えてやればうまくいくかもしれませんね。
↓彫る角度大きい

↓彫る角度小さい

ちなみに、角度が小さすぎてもバリは出ます。
あと、銅の方がバリが出やすく、真鍮の方が出にくいです。
可能性として高いのが、タガネの角が丸まっている場合です。
一生懸命研ぐと何とかなる場合もありますが、あまり丸まっているとタガネの成形からやり直した方が早いですね。
次点で可能性が高いのは、研ぎが甘いパターン。
しっかりと刃先に砥石を当てることを意識してやれば研げます。
タガネをオタフク槌で叩いても、なんだかスムーズに進んでくれない場合。
これはタガネの角度が大きすぎる可能性があります。
彫れないほどではないけど、角度がちょっと大きすぎたというパターンですね。
角度の大きいタガネで少しでもスムーズに彫るには、金属板に対してタガネを立て気味にするとよいです。
↓これは畳に落として完全に立ったタガネ

角度の大きいタガネも使う機会はあるので、それで練習するのも有意義ですね。
他には、タガネを支える手に力を入れすぎなパターンですね。
これは手が痛くなると思うので、すぐわかります。
手が痛いのはある意味通過儀礼ともいえます。
彫ろうという気持ちが大きすぎて、タガネを持つ手に力が入りすぎてしまうのです。
タガネが進む力はオタフク槌に任せて、タガネを持つ手は支えるだけです。
それを意識すれば、そのうち痛くなくなります。
腰と背中が痛いのは、机と椅子の高さが合っていない可能性があります。
椅子の高さを変えたり、姿勢を変えてみたりして、最適な状態を見つけましょう。
そして、それでもダメなら自分で机を作ることをお勧めします。
これは焼き入れが足りないか、焼き戻ししすぎたか、です。
焼き入れは、刃先が真っ赤になったら、素早く水の中へ。
焼き戻しは色が大切でしたよね。

この場合はタガネの角度が浅すぎるか、焼き戻しが甘いかですね。
焼き戻しが難しい!と諦めてしまった方は、リトライか青タガネを使うか、です。
青タガネはリューターかグラインダ―という道具がないと厳しいのでご注意ください。

如何でしたでしょうか。
本当はもっとケーススタディできそうですが、思いついたのが7つでした。
細かいことをあげるとキリがないですが、とにかく上手くいかなかったらドンドン試してみましょう。
誰だって最初は上手くいかないものです。
上手くいかないからこそ、上手くなれるんです。
でも、ちょっとわかりにくいところもあったかと思うので、次回ケーススタディの補足をちょっぴりやりたいですね。
彫金教室では様々な技術を紹介しております。
よろしければのぞいて行ってください。
それでは。
こちらは彫金アクセサリー教室です。
前回彫る方法をザっと紹介しましたが、上手くいきましたでしょうか?
まったく彫れなかった、彫れたけどきれいじゃない、なんか手が疲れた・・・などなど出てくる問題はたくさんあります。
ちなみに、最初からきっちり上手く彫れた!という方は自信をもってこの記事をスルーしていただいてもOKです。
なぜ失敗したかを考え、虱潰し。
独学なら、失敗した理由を一通り考えて虱(しらみ)潰しに改善していきます。
たいていの場合理由はいくつか思い浮かぶため、どれを改善すればいいかというのは「当たり」を引くまでわかりません。
どれが当たりかはわかりませんが、私は例え当たりを引いても一通り思いついたものは改善してみます。
良い経験になるというのもありますが、ちょっとしたことで結果が変わるのはなかなか面白いですよ。
すべてはケーススタディなのです。
失敗という事例にたいして、片っ端から原因を探っていきましょう。
というわけで、まっすぐ彫れなかった場合のケーススタディいっきまっすよ~。
まったく彫れないorちょっとしか彫れない場合
まったく彫れなかった場合は、タガネに問題がある可能性が高いです。
タガネはいくつかの工程を経て作っていますが、その中でも最初の成形段階がしっかりできていないとほとんど彫れなくなります。
刃先がしっかり鋭利になっているかよく見てみてください。
↓左のタガネは鋭利になっていない。

ちゃんと鋭利になっているかどうかを見分けるのって慣れないと難しい・・・かもしれません。
私はよく刃先を直接触って切れそうかどうか確かめます。
包丁だとちょっと危ないですが、タガネなら大丈夫です。

他の可能性としては、角度があまりにも大きすぎる可能性もありますね。
角度の大き過ぎるタガネは非常に彫りにくいので、最初にタガネを作るときは角度浅めをオススメしておきました。
バリがたくさんでる。
ここでいうバリとは、彫ったときに金属屑がくっついてしまう状態のことを言います。
みんな憧れの南国の島ではありません。そういえば、インドネシアにも彫金ってあるんでしょうか?
↓彫った横に金属がくっついたままになっている、それがバリ

これはタガネの角度が浅すぎるか、彫る角度が大きすぎるか、ですね。
タガネの角度が浅すぎるのはしょうがないとして、彫る角度ならすぐに直せます。
このように、タガネの彫る角度を変えてやればうまくいくかもしれませんね。
↓彫る角度大きい

↓彫る角度小さい

ちなみに、角度が小さすぎてもバリは出ます。
あと、銅の方がバリが出やすく、真鍮の方が出にくいです。
滑った感じになって上手にまっすぐ彫れない。
可能性として高いのが、タガネの角が丸まっている場合です。
一生懸命研ぐと何とかなる場合もありますが、あまり丸まっているとタガネの成形からやり直した方が早いですね。
次点で可能性が高いのは、研ぎが甘いパターン。
しっかりと刃先に砥石を当てることを意識してやれば研げます。
一応彫れるけど、上手く進んでくれない。
タガネをオタフク槌で叩いても、なんだかスムーズに進んでくれない場合。
これはタガネの角度が大きすぎる可能性があります。
彫れないほどではないけど、角度がちょっと大きすぎたというパターンですね。
角度の大きいタガネで少しでもスムーズに彫るには、金属板に対してタガネを立て気味にするとよいです。
↓これは畳に落として完全に立ったタガネ

角度の大きいタガネも使う機会はあるので、それで練習するのも有意義ですね。
他には、タガネを支える手に力を入れすぎなパターンですね。
これは手が痛くなると思うので、すぐわかります。
手が痛い、腰が痛い、背中が痛い。
手が痛いのはある意味通過儀礼ともいえます。
彫ろうという気持ちが大きすぎて、タガネを持つ手に力が入りすぎてしまうのです。
タガネが進む力はオタフク槌に任せて、タガネを持つ手は支えるだけです。
それを意識すれば、そのうち痛くなくなります。
腰と背中が痛いのは、机と椅子の高さが合っていない可能性があります。
椅子の高さを変えたり、姿勢を変えてみたりして、最適な状態を見つけましょう。
そして、それでもダメなら自分で机を作ることをお勧めします。
ちょっと彫ったら、すぐ彫れなくなった。
これは焼き入れが足りないか、焼き戻ししすぎたか、です。
焼き入れは、刃先が真っ赤になったら、素早く水の中へ。
焼き戻しは色が大切でしたよね。

タガネが欠けた(涙)
この場合はタガネの角度が浅すぎるか、焼き戻しが甘いかですね。
焼き戻しが難しい!と諦めてしまった方は、リトライか青タガネを使うか、です。
青タガネはリューターかグラインダ―という道具がないと厳しいのでご注意ください。

如何でしたでしょうか。
本当はもっとケーススタディできそうですが、思いついたのが7つでした。
細かいことをあげるとキリがないですが、とにかく上手くいかなかったらドンドン試してみましょう。
誰だって最初は上手くいかないものです。
上手くいかないからこそ、上手くなれるんです。
でも、ちょっとわかりにくいところもあったかと思うので、次回ケーススタディの補足をちょっぴりやりたいですね。
彫金教室では様々な技術を紹介しております。
よろしければのぞいて行ってください。
それでは。