Engrave with!!
手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

彫金アクセサリー教室 第一章 2-1:タガネを作ろう1

2016
07
こんにちは。

ついに。ついに!
第一章「切って彫って」の「彫って」部分に突入です!!

でも、まだ彫りません。まずはタガネです。

タガネとは?


タガネとは、ざっくり言うと金属を彫ったり加工するための道具です。
差し当たり、片切タガネと線彫りタガネの2種類を覚えておいてください。
↓片切
片切タガネ

↓線彫り
線彫りタガネ


まずは簡単に作れるタガネをつくりましょう。


使うタガネの株は、小さい一号か二号です。
初めから大きいものだと削るのが大変なので・・・。

野沢製作所さんも、お安く売ってます。

片切と線彫り、どちらが簡単に作れるかと聞かれれば、片切です。
なので、まずは片切から作っていきましょう。
(ちなみに、使うのが簡単なのは線彫りタガネ)

ヤスリ製作の工程はファイヤー、ヤスリ、ファイヤー、ファイヤー


タガネ製作はとにかく火を使うので、まずはガスバーナーの扱いに慣れておきましょう。
といっても、細かいことをするわけではないので説明書を読んでちょっと触ってもらえればOKです。
未成年者の方は保護者の方に一言入れるか、不安なら一緒にやりましょう。
ガスバーナー

ちなみに、以下は赤タガネを使う前提でやっていきます。

工程一:まずは、ナマシ


鈍し(なまし)とは、金属を熱して柔らかくすることです。
ただ、鈍しだと見にくいため、次からはカタカナでナマシでいきます。

ナマスまえに、柔らかくなる前のタガネ株の硬さを確認してみましょう。
軽く、ヤスリで削ってみてください。
一応は、削れたはずです。
ナマシテスト


それではナマシていきましょう。
まずガスバーナーにタガネ株と水の入った容器を用意してください。
耐火レンガ(ホームセンターで200円くらい)も用意しましょう。
ガスバーナーの扱いに慣れている方は、ヤットコも用意してください。
ペンチなどでも良いですが、油がついていると臭いがすることがあります。
タガネ製作用意するもの

ナマシは、とにかく熱します。
熱するのは色のついていない先端の方です。
耐火レンガの上にのせて先端を熱していきます。
表面が少し溶けて波立つくらいまでやると確実です。
実はそこまで熱さなくても良いのですが、そっちの方が確実ですね。
焼きなまし
片手にガスバーナー、片手にカメラで写真撮っています。
あまり近づくとカメラが溶けるので、注意が必要ですね(笑)


ガスバーナーの扱いに慣れている方は、ヤットコでタガネをつかんでファイヤーです。
熱が耐火レンガに伝わらない分、早くまんべんなく熱することができます。
とはいえ、ガスバーナーを片手でもたないといけないので、慣れていないとちょっと難しいかもしれません。

熱したら、あとは冷めるまで置いておくだけでナマシ完了です。
待ちきれない方は、1分ほど置いた後に水につければOKです。


ヤスリの持ち方


ヤスリで成形していくわけですが、その前にヤスリの持ち方をば。
まず、手の平の真ん中あたりに柄を当てて
ヤスリ持ち方1
上から人差し指、下~横の角度から親指を添えて
ヤスリの持ち方2
曲げた中指の第一~第二関節で支える。
ヤスリの持ち方3

こんな感じです。
私の手は、手の平が小さくて指が長めなので、皆さんが持つときは少し変わるかもしれませんね。
窮屈なら角度を変えたり、ちょっと位置をずらしたりして工夫してみましょう。
しっくりくるところがあるはずです。

工程二:ヤスリで成形


それではヤスリで成形していきましょう。

横から見た角度はだいたいこんな感じですが、そこまできっちりと守る必要はありません。
むしろ、最初はこれより角度浅めの方が彫りやすいです。
タガネ角度2
角度90度弱。
上:下は、大体1:2~3くらいです。

角度を小さくしたタガネの例(上のタガネが浅め。)
片切角度浅め

さぁ、あとは地道にヤスリでゴリゴリ削っていくだけです。
ナマシたことで削りやすくなっているはずです。
もし、全然削れない場合はナマシができていないか、ヤスリがダメかの2択です。
ヤスリは金工用のヤスリを使っています・・・よね?(100円ショップでもOK)
ちなみに、ダイヤモンドヤスリは目が細かくてあまり削れないので、やめましょう。

削りカスは前にも書いたように机の引き出し、もしくは新聞紙などの上に受けると良いです。


削ったらチェック


削り終えたらチェックしましょう。
細かい角度はひとまず置いておいて・・・。
重要なのは、刃先です。

刃先が尖っていないと、彫れません。
作ったけどまったく彫れない!という場合は、多分刃先が丸まっています。
指を刃先に当ててみて、少し痛い感じや包丁のように切れそうな感じがしたら多分大丈夫です。

次に、左右を見比べてみましょう。
右みて、

左みて。

どうでしたか?
右と左で大きく角度が違ってなかったでしょうか?
初めはとにかく彫れるようになることを目標にしているで多少違ってもOKです。
慣れたらだんだんとチェックも厳しくしていってください。

やわらかい金属の銅を試しに少しだけ彫ってみるのも良いチェック方法です。
しかし、今はまだ彫るための金属の固定を紹介していないので、残念ながらできないですね。

ファイヤー、ヤスリ、ファイヤー、ファイヤーの残り2つのファイヤーが残っていますが、長くなりすぎたのでいったんここで切ります。

次回は焼き入れ、焼き戻しでタガネ完成です。