Engrave with!!
手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

いつの間にか自分のできる範囲でしかデザインを考えなくなる問題

2016
16
こんにちは。

私の彫金やアクセサリーに対する姿勢は、デザイナーというよりも職人です。
ものすごくカッコイイ、かわいいものを作りたい、というよりは技術を研さんしていきたいという思いが強いです。

だからこそ、お客様の要望などをけっして無視しないよう、独善的にならないよう、しっかりと気を付けています。
作品であると同時に、商品でもあるわけですからね。
私は独りが大好きな人間ですが(笑)、独りよがりではないはずです。たぶん。
そのうち流行も追えるようになる・・・・のかなぁ。

それはさておき。

自分のできることをわきまえてしまう


子供の将来の夢は、突拍子のないものも多いですよね。
アンパンやバッタっぽいヒーローから始まり、ボール、アシカ、ワニなどちょっと調べただけでたくさん出てきました。
夢

彫金を始めたばかりのころは、こんなの作ってみたい、あんなの作ってみたい、と夢広がります。
しかし、一通りできるようになると逆に自分のできることをわきまえてしまいます。

子供が大人になるにつれてなりたい職業が公務員になったりするように、彫金も上手くなると発想を狭めてしまうのです。
いや、公務員が悪いと言っているわけではないんですよ(笑)
自分のできる範囲で作品を作るのも、一つの上手さです。

でも、夢がない。つまらない。


自分のできる範囲だけで、作品を作る。
それは、いつしか作業になっていきます。
上手くなるでしょう。効率的にもなるでしょう。

でも、つまらないんです!

好きで始めた彫金がつまらなくなるほど、悲しいことはない。
できないことを、あーでもない、こーでもないって考えるところに夢があるんです。
金属片をくっつけて、削って、研磨して、彫って、イメージに近づいていくのがおもしろいのです。
そうして完成したものを手にしたとき、感動に近い何かが味わえるのです。
それが熱意になり、モチベーションに変わります。

だから、少し彫金ができるようになったら、
いつの間にか自分のできる範囲でしかデザインを考えなくなる問題
に立ち向かうことをオススメいたします。



それでは。