Engrave with!!
手彫り工房ブログ

手彫り工房のオフィシャルブログです。金属彫ってます。彫ってます。

鋳造リングと鍛造リングの特徴5つずつ

2014
02
鋳造(ちゅうぞう)リングと鍛造リングについてやっていきます。


鋳造リングとは,
型に液体状になった金属を流し込んで作るリングのことです。

鍛造リングとは,
線や板などの材料からカナヅチで叩くなどしてつくるリングです。
昔ながらの職人がつくっている様子を思い浮かべてもらえるとよいかと。


鋳造とか鍛造とか読みにくいと思うので,
以後,鋳造リング→チューゾー,鍛造リング→タンゾウとします。
↓名前みたいで,おもしろい
雪だるま2



チューゾーの特徴


1.大量生産ができるので,大きいリングでも値段を抑えやすい。
2.重量感のあるリングも簡単に作れる。
3.逆に細めのリングは作りにくい
4.細かい気泡が入ることがある(「す」ができるといいます)
5.彫像のような立体的なデザインも可能

チューゾーの原型はワックスというロウの一種を削って作られることが多いです。
この作り方だと,細身のリングは作りにくいです。
ワックスの本領(ほんりょう)は,大きめの物を彫刻みたいに削り出す所にあります。
困るのは4番の「す」ができているときで,強度も見た目も悪くなります。
今後,3Dプリンターの導入でさらに凝ったデザインのものもでてきそうです。


次はタンゾウの特徴です。


1.ほそく軽いリングをつくることができる。
2.1.5号など細かくサイズ指定ができることが多い。
3.製作に時間がかかる。(大量生産が難しい)
4.カナヅチで叩くなどしているため,丈夫。
5.荒らしや彫りなど,平面で活きる技術が使われやすい。

タンゾウはカナヅチなどで叩いて一から線をつくっていきます。
この工程で,細かい気泡の「ス」はほとんどなくなります。
また,金属は硬く(かたく)なり丈夫なリングができます。
1つ1つが手作りなので,サイズの細かい指定ができます。
大量生産に向かないので,金やプラチナなどに使われることが多い技術です。



最後に,シルバーでのチューゾーとタンゾウの見分け方を。
100%確実ではありませんが,一般的に
SILVER925と刻印があるモノはチューゾー
SILVER950と刻印があるモノはタンゾウ
です。
ちなみに925は,全体の92.5%が銀
950は,全体の95%が銀という意味です。

金やプラチナではタンゾウのほうが多いと思います。
大きなリングは高くついてしまいますからね。

ちなみに,チューゾーの部品とタンゾウの部品を組み合わせたリングもあります。

以上,鋳造リングと鍛造リングについてでした。